俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
七章
皆と遊んでから一ヶ月ぐらい経った。
あれから皆で遊んでないけど、学校で望月君から「響子のことだけど、変な勘違いすんなよ!」と謎の指摘を受けた。
もっちーあれで響子ちゃんのこと好きだってバレてないとでも思ってんのかなぁ?
はたから見たらバレバレだよ。おかしいもん、距離感。
生ぬるい目で望月君を見てたら、頭を軽くチョップされた。酷い!
それで、響子ちゃんの方はと言うと……
「響子ちゃん!来週の土曜日近所で夏祭りあるらしいよ!一緒に行こうよ!響子ちゃんの浴衣姿見たいな〜!」
「……ごめん、その日用事あるから」
あの日からずっと、どこかよそよそしい感じだ。
別に私に対して態度が急変したとかじゃない。
いつも通り笑うし、いつも通り話すし、いつも通り友達のままだ。
でも、なんて言うのかな。
一枚薄い壁越しで話してるような、ちょっとした違和感がある。
私の勘違いの可能性だって十分ある程の違和感だけど、一度考えたらそれ以外考えられなくなっちゃうのが私の悪いくせだ。
「……あ、そう、なんだ……あ、でも!三日間やってるらしいから、他の日でも大丈夫だよ!学校終わった帰りとかでも、」
「ごめんね」
困ったように笑顔を作る響子ちゃん。
この胸の焦燥感を早く無くしたくて、響子ちゃんとの絆をまた確認したくて、焦って空回りする。
ここ最近の、よくある一連の流れだった。