俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
「はぁ……」


最近ずっと響子ちゃんのこと考えてる。

考えれば考えるほど空回りしてるって思うけど、でも考えずにいられる程の余裕はない。


響子ちゃんは高校で初めて出来た友達だ。


凛としてて、素直で、しっかり者なのにちょっと天然で、それでいて寂しがり屋。

響子ちゃんは拒絶されるのが怖いから、自分から先に拒絶しちゃうんだと思ってる。

でもその気持ちよく分かるんだよなぁって、勝手に私が共感してるんだよね。


受け入れて拒絶される方がよっぽど辛いもん。


……私は、今がわりとその気持ちなんだけども。



「あー……響子ちゃん……響子ちゃんちゃんちゃん、響子ちゃん……」


「なにしょぼくれてんだよ夏秋ー」


「ぎゃーーーーっ!!!!」



とぼとぼと廊下を歩いてると望月君からいきなり肩をバンっと叩かれ声をかけられた。

心臓止まるかと思ったよ!!



「も、もっちーか……びっくりしたぁ…」


「夏秋〜、最近どしたの?響子と倦怠期?」



ギクリと肩を揺らす。

まさに似たような事を考えていたからだ。



「…もっちーからも、そう見える……?」


「見えるって言うか、お前が空回りしてる感じはするね」


「……そうだよねぇ……空回り、してるよね……」



いざ他の人に言われると心にくるものがある。

客観的にもそう見られてるんだ……私は……



「あんまり重く考えなくて良いんだって!ほら、逆に考えてみろよ?今までが仲良すぎたんだって、逆にね!」


「ぎゃ、逆に仲良すぎたのかな……」


「そうそう、だから今は距離を置く期間だって考えようぜ。大体、響子がお前の事嫌いになったりする訳ないだろー」



ニコニコと眩しい笑顔で望月君は言ってくれる。

私のことを励ましてくれてるんだ、もっちー…



「もっちー……ありがとう……でも、響子ちゃんと離れるなんて、無理だよぉ…!そもそも私響子ちゃん以外にクラスで仲良い人そんなにいないよ!」


「お前友達少なっ!じゃあ俺のクラス来れば良いだろ」


「そしたら響子ちゃんが寂しい思いしちゃうよ…それこそ響子ちゃんに対する裏切りだよ…」


「めんどくせーなぁ!もう!」



望月君とあれこれ話してたら少しだけ気持ちがスッキリとした気がする。

もっちーはお調子者だけど、頼れる所があるから憧れるんだよなぁ

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