俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
八章
二人の子供が仲良く遊んでいる。
きっとこれは夢だ。
何度も似たような夢を見たことがあるから分かる。
『___!______!!』
小さい頃の私が男の子の手を引っ張っている。
男の子は私にされるがまま、二人してどこかへ行ってしまった。
この間の桜の木と言い、この少年はなんなんだろう。
まぁ、いっか……
「……っ、は!」
ベッドから飛び上がるように起きる。
枕元からは目覚ましのアラームが鳴り響いており、どうやらこの音で起こされたみたいだった。
「……はぁ……なんか元宮君と会うの気まずいなぁ…」
だってあんなにしっかり抱きしめられたのなんて初めてだ。
それに手まで繋いじゃったし……
「あーー!!!思い出したら恥ずか死ぬぅぅう!!!」
思わずベッドの中で悶えまくる。
あれから考えないようにしていたけど、月曜日になると学校で会うかもしれないから嫌でも考えてしまう。
元宮君とどんな顔で会えば良いのかも分からないし、響子ちゃんとかもっちーにも顔合わせずらいよ!!
そう思っていても、いつかは行かなきゃ行けない日がくるものだ。
若干憂鬱になりながらも支度をして、トボトボと学校に歩いて行った。