俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい

あの後、響子ちゃんとは話す気になれなかった。


もう傷付きたくないし、響子ちゃんも多分気まずそうだったから。

でも、下校の時に響子ちゃんがなにも言わないで帰っちゃったのは流石にメンタルに来たけども。



「……私がなにをしたって言うんだよ」



靴箱の中は一回片付けたはずなのに、帰る時にはまたゴミが入れられていた。

よくもまぁ、こんなにゴミを貯めれるもんだと思いながら中に入ったゴミを片付け始める。



「……あれ、なんか書いてる」


ゴミの中にメモ用紙のようなものが紛れているのが分かった。

メモ用紙を手に取り、書かれてる文字を読んでみると"元宮君に近付くな!"とでかでかと書いてあった。

あまりの幼稚さに思わず乾いた笑いが出てしまう。


要は全部嫉妬じゃん。

元宮君になぜか気に入られてる私が気に入らないんだなぁ。


気持ちは分からなくもないよ、こんな地味女になんであんな必死に絡んでくんのか私も分からないし。


……元宮君のこと、ちょっと好きになりかけてたんだけどなぁ……


でも、元宮君は全く悪くないのかな?

元宮君が私以外の子にも、それなりに愛想良く接してたら私がこんな目に遭うことも無かったんじゃないの?


どう考えても嫌がらせをした本人が一番悪いって言うのは分かっているのに、元宮君に苛立ちが募っていった。


最低だ、私は。

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