俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい

嫌がらせは毎日のように続いた。

最初は下駄箱の中にゴミを入れられてるだけだったけど、今日は上履きが水浸しになっていた。


最初はざわついてた周りも、徐々に慣れていったのか、哀れみだったり蔑んだ目で私を見るようになっていった。


響子ちゃんとも最近は、まともな会話が出来てないから、ひとりぼっちと言っても過言じゃない。

元宮君と話す気には勿論なれないので、すれ違っても前みたいに反応することは無くなった。





「柚月、無視してんじゃねえよ」


「……無視してないよ」


「なら、なんで最近学校で俺から目逸らすんだよ」



帰り道、元宮君に腕を掴まれる。

怒った顔をしてるけど、こっちだって内心穏やかじゃない。
それに、無視と言うか関わらないようにしてただけだよ。



「そんな事さぁ……別にどうでも良くないかな?そう言う気分の時だってあるよ、私も人間なんだから」


「ふざけんな。お前……あの時、俺から離れないって言ってたの忘れたのか?」


「いやそこまでは言ってないって!」



それは間違いなく言ってない!

そう言い返して、ハッとなる。

なにナチュラルに会話してるんだ私は。彼は私が嫌がらせをされる原因なんだぞ。


元宮君は私がこんなことされてるなんて夢にも思ってないだろうから、私がなんでこんな機嫌悪いのか分からないでいる。


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