俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
「あいつ頭おかしいんじゃねえの」
望月君は、響子ちゃんの言葉と上手くいかない現状全てにイラついてるようだった。
私はと言うと、ぼんやりと言われた事を頭の中で繰り返しているだけだ。
だって、響子ちゃんにも嫌われて、いじめも受けてるって絶望しかないじゃん。
現実感が無さすぎて、自分の喉がカラカラに乾いてる事しか分からない。
「もっちー、響子ちゃんの所に行かなくて良いの?」
「なんで俺があんな奴の所に行かなきゃなんねーの?」
「私と一緒にいるともっちーも嫌われちゃうかと思って……」
「別に良いよ、そんなんで嫌うしょうもない奴なら今後関わることはねえから」
いつもの望月君とは程遠い、冷たい言い方だった。
あぁ、全部私のせいじゃん。
響子ちゃんは正しいよ、元はと言えば私が中途半端な態度だったのがいけないんだから。
望月君はこんな事言ってるけど、響子ちゃんは望月君と仲悪くなったら、きっと悲しむと思う。
なんだかんだ響子ちゃんも望月君のこと好きだから。
「……私は、もっちーと響子ちゃんは仲良くしてて欲しいと思うよ……」
「………夏秋さ、自分が置かれてる状況分かってんのか?他人の事より自分のことを……」
「でも、響子ちゃんはああ見えて寂しがりだから……」
望月君は口を噤んで、なにも言わなくなった。