俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
響子side
クズ。
自業自得。
八方美人。
悲劇のヒロイン。
大ッ嫌い……
「……っ、ぅぅ、ひっ……、ごめん…っ、ふっ……、ゆづ…っ、」
涙が溢れて止まらない。
全部全部、私が柚に言った言葉だ。
本当にそんな事を思ってる訳じゃない、柚月のこと、大切な友達だと思ってる。
それなのに、元宮に気に入られてる柚月が嫌で嫌でしょうがなかった。
私は、柚に嫌がらせをしてる奴等と同じ思考をしてるんだ。
望月だって、今までどんな事があっても私の事を見捨てなかったけど、今日ほど怒ってた日も今までなかった。
それだけ私が信じられない事を言ってたって事だろうけど。
「ゆづ…っ、柚……、」
もう一緒に居られない。
私のことをあんなに好いてくれてたのに、私は理不尽に拒絶してしまった。
私は、友達より自分のどす黒い感情の方を優先してしまったから。
ごめんなさい、ごめんなさい。
目元を手で覆いながら、二人から出来るだけ早く離れるように走って移動した。
だから、私のことを元宮が見てたことなんて気がつかなかった。