俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
「で、どうするよ。ここで気に入らない俺を殴んのか?」
裏庭に来て元宮を煽るようにわざとおどけて話しかける。
俺の煽りに元宮は苛立っているようだが、手を出してくることは無く俺を睨みつけるだけに留めた。
「お前だって俺が気に入らないんだろ?柚月と俺が付き合うかもしれないからって、邪魔ばっかりしやがって」
「気に入らないってよりは正直気味が悪いね。そんな妄言ばっかり言ってさ?初めて会った時から夏秋に固執しすぎだし」
「俺も初めて会った時からお前が大嫌いだった。俺のモノに気安く話しかけて、気安く柚月に触るお前が」
「だーかーらー、お前のじゃないっつってんだろ!」
めんどくせー野郎だなぁコイツ。
本当に頭おかしいんじゃないのか?
コイツと話してると俺までおかしくなってくる気がする。
「柚月がお前なんかと会うずっと前から俺達は一緒だったんだ。運命なんだよ、俺と柚月は」
「……?なに、お前ら知り合いだったの?」
そう聞くと、元宮は少し顔をくしゃりと歪ませて俯いた。
コイツの言ってることそのまんま受け取るなら、夏秋はコイツとの記憶全部忘れてるか、無かったことにしてるってことか?