俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
「……お前のせいだろ、全部」


「は?」


「柚月が俺を覚えてないのも、俺の所に来てくれないのも、俺と一緒に居てくれないのも……」


「はぁ……お前、人のせいにばっかしてんじゃねぇよ。全部お前のせいだろ?違う?」




駄々をこねる子供のように悔しそうに俺を睨みつける元宮は、ハッキリ言って哀れだ。

ここまで頭がイカれてるともう可哀想という感想しか出てこない。




「柚月の事が俺のせいって言うなら、多々良が泣いてた事はお前のせいなんだな?」



「……へ?」




響子が泣いてた……?




「な、なんで響子が泣いてたんだよ…」


「知らねえよ。この間、アイツが泣きながら走ってるのを見た。どうせお前が泣かせたんだろ?」




この間、泣きながら走る……

……あ、三人で集まった時に走ってった時の事か…?



「………あいつ、なに考えて……」


「柚月だって、最近ずっと元気が無さそうな顔をしてる。俺なら柚月を悲しませないのに…」







「なぁ、全部お前のせいだろ?望月」








お前のせい?


コイツ、さっきから俺のせいだって言ってんの?

元はと言えば、お前が夏秋に近付かなかったら起こらなかった話なのに?

俺はただ、響子に話したらきっと協力してくれると思ったから夏秋に相談させたんだ。

その悩みを拒絶した響子が悪いだろ?




そう考えているのに、心のどこかでは"余計なことをしなければ"って正直思っていたんだ。


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