俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
十一章
最近、やたらと望月君が私の所に来るようになった。
来ると行っても登下校を一緒にするだけだけど。
逆に休み時間とかはなんで来ないんだろうと思って聞いてみると、私のクラスに行くと嫌でも響子ちゃんと顔を合わせるかららしい。
私に気を使ってそういう事してる訳じゃないと思うけど、なんだか響子ちゃんに悪い気がする。
だって響子ちゃんともっちーは相思相愛だもん、絶対。
「もっちー、私は大丈夫だから響子ちゃんの所行ってあげてよ」
「……え、なにいきなり」
下校中、望月君と一緒に歩きながら頭に浮かんだことを言ってみる。
「多分、響子ちゃん悲しんでるよ。もっちーと話せてなくて……あれだけ仲良かったのに全然話さなくなったらそりゃ悲しいよ」
「お前さぁ、響子になに言われたか忘れたの?"自業自得"、"大嫌い"って言われたんだぞ?」
うっ。言われた事を思い出して胃がキリキリしてきた。
少し時間が経って嫌な記憶は曖昧になってたけど、そう言えばかなり悲しいことを言われたんだった。
嫌な記憶を引っ張って来られて落ち込んでいると、望月君は呆れた顔を私に向けた。
「普通そんなこと言われたらちょっとは相手のこと嫌いにならないもんかね?俺ならどんだけ仲良くても嫌気がさすけどな」
「いや、響子ちゃんの言ってることは正しいから…元宮君に好かれるの、本当は嫌じゃなかったんだ。響子ちゃんが元宮君のこと好きじゃないから、嫌って雰囲気出してただけで…」
改めて言葉に出すと、本当に私って性格悪いなぁとひしひしと感じる。
自分のことを好いてくれている人がいるのに、友達に合わせた結果こうなるんなら、まぁ自業自得だろう。
元宮君の名前を出すと、望月君は複雑そうに顔を曇らせた。
ど、どうしたんだろう。