俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
次の日も望月君と一緒に帰ることになった。
下駄箱で靴を履き替えてると、元宮君がジッとこっちを見ていることが分かった。
元宮君の方を見ると、私になにかを訴えかけているような、そんな困惑した顔をしていた。
ずっと避けてるのもなぁって思って、私から声をかけようとすると、望月君が無言で私の腕を引っ張って歩き始めて行った。
「えっ、も、もっちーどうしたの!?」
「……今元宮と話そうとしただろ?」
ぎくり、と肩を揺らす。
図星だ。
元宮君のことを好きな人に嫌がらせを受けてるのに、また関わってどうするって言いたいのかなぁ…
「な、なんか、避け続けるのは良くないかなって…なにか話したいこともありそうだったし…」
「良いよ、あんなのと関わらなくて。自己中でただの疫病神なんだから」
「……そういう言い方は……ちょっと……」
私が指摘すると、望月君は横目でチラリと私を見た。
もっちーがそんな言い方をするなんてどうしたんだろう。
今までそんな悪口言ったこと無かったのに。
「事実だろ?違うか?」
「いや、事実じゃないって……もっちー、疲れてるんだよ。私のこと考えてくれてるのは分かるけど、ピリピリしすぎるのも良くないよ」
「お前が能天気すぎんだろ」
「ははは、それはそう……」
なにも言い返せない。
いくら嫌がらせは減ったといっても、完全に無くなってはいない。
響子ちゃんとも全く話せない状況が続いてるし、こんな楽観的な考えじゃ良くないよね…