俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい

私が勝手に落ち込んでると、望月君がハッとした顔をしてバツが悪そうに眉を下げた。



「……いや、俺が悪いよな……はぁ…なーんか、最近の俺性格悪いんだよねー…」


「性格悪くないよ!ただ疲れてるだけだって。疲れてると…ほら、ちょっとネガティブになるから」


「ネガティブな俺って需要ないよなぁ」


「いやいや!そんなことないよ!むしろギャップ萌え?みたいな!!」



なんだか前と逆の構図になってる。

最近ずっと暗い雰囲気の望月君を私が励ますみたいな状況になぜか陥っている。

私が役に立てるならそれで良いけど、もっちーもどうしたのかなぁ。



「夏秋は俺にギャップ萌えしてんの?」


「え?し、してるよ!憧れの人が自分に弱みを見せてくれる、みたいな?この状況に憧れない女子はいないってー!!」



アハハ!と笑いながら、冷や汗をかく。

今ナチュラルに憧れてたことをポロッと言ってしまったけど、望月君は気付いてないだろうか。



「へぇ、女子ってそうなんだ」


「そうそう!アハハハ!」


「夏秋は俺に憧れてたのか。知らなかった」




笑顔がガチッと固まる。

バッチリ聞かれてた。
き、キモいとか思われないかな…

恐る恐る望月君の方を見ると、どこかぼんやりした顔で私を見ていた。



「い、いやぁ……その……こ、高一の時から、爽やかで面白くてカッコよくて…気配り出来て優しいなぁって…憧れてたって言うか、目指してたって言うか…」


「もっと早く教えてくれたら良かったのに」


「いやいや!こんな事いったら引かれると思うじゃん!」



照れ隠しに少し大きな声で捲し立てるように言うと、望月君はいつものようにヘラりと笑った。

良かった、ちょっと笑ってくれた。




「じゃあさ、俺達付き合っちゃおうよ」


「……え?」

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