俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
「元宮とか、響子とか…全部忘れて俺と一緒にいれば良いだろ?」
いきなり何を言うかと思ったら、また前みたいに私をからかってるのか。
第一もっちーは響子ちゃんが好きなんだから、私にこんなこと言うはずがない。
「ま、またからかってる!その手には乗らないぞ!」
ビシッと望月君を指差すものの、肝心の彼は私の言動に対してなんのリアクションもしない。
いつもならここで冗談だって言ってくれるのに。
「ダメかな、付き合うの」
「え?いや、だから、冗談だよね?」
「信用出来ない?」
素直にこくりと頷くと、望月君は私の手を引き優しく私の身体を抱きしめた。
突然のことで固まる私に、望月君は耳元で聞いた事もないくらい優しく甘い声で囁いた。
「好きだよ、夏秋」
「……え、?」
「だから、俺と付き合ってよ」
目眩がするほど甘く、直接脳内に流し込まれてるような感覚になる。
いつも明るくて、面白くて、頼りになる、そんなもっちーが憧れだったのに。
目の前の彼は全く知らない人のように思えた。