俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
「こ、これ……心ばかりのものですが……」
「凄い量なんだけど……」
「もっちーもいると思って、もっちーの分のお土産も買ってきちゃったから……」
大量に買ってきたお土産を恐る恐る渡すと、軽く引いてるであろう声が返ってきた。
スタートダッシュ失敗したかな……?と思い落ち込んでいると、響子ちゃんが恥ずかしそうに「ありがと」と、ひっそり呟いてくれた。
今までのことを思うと、とんでもない威力の幸せ爆弾である。
「え、へへ……響子ちゃん……」
「……お土産は嬉しいけど、それだけ渡しに来た訳じゃないもんね」
ギクリ、と思わず肩を揺らす。
もうこれで仲直りしたってことで良いんじゃないか?とチキンな私なら思うが、響子ちゃんはそれでおしまいじゃ納得がいかないらしい。
机を挟んで向かい合うように正座になって、お互い顔を見合わす。
緊張感にゴクリと喉を鳴らすと、響子ちゃんは真剣な目で私を見つめた。
「……柚、私は……もう柚に対して隠し事はしない。だから、柚も私に本心で向き合って欲しいの」
「え、響子ちゃんが隠し事……?」
私の問いに、響子ちゃんはビクッと肩を震わせるも再びまっすぐに私を見つめ返した。
「隠し事しないでって柚に言ってきたのに、私も隠し事を柚にしてるの。最低でしょう?だから、そんな私に遠慮しないで言いたいこと言って欲しい」
言いたい事なんてないよ、私が悪かったんだから。
そう喉から出そうになるのを必死で抑える。
だって、この言葉を今言うのは響子ちゃんに誠実じゃないだろうから。
響子ちゃんが求めてる言葉はこんな言葉じゃなくて、もっと……深い所にある言葉だと思う。