俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
十三章
10月の中旬。


あれから、響子ちゃんとは一応喧嘩中という設定だけど普通にお喋りするようになった。

犯人探しもしたかったが、文化祭の準備期間も被ってしまいそれ所ではなかったんだけど。


(まぁ、嫌がらせは今の所無くなってきたしね)


勿論犯人はいずれ見つけるつもりだ。響子ちゃんと正式な仲直りが出来ないからね。

でも私はそんな事よりも響子ちゃんと一緒に居れる日々が幸せだ。
喧嘩前より絆が深まったような気までするし。


そして、文化祭当日の今日。
クラスの出し物の店番を二人でのんびりとやっているのである。




「もう文化祭かー、早いよねぇ」


「うちのクラスは牛丼売るだけだから大した準備はしてないけどね」



確かに、他のクラスはお化け屋敷とかメイド喫茶とか凝ったものがあったりするけど、私達のクラスは消極的な人が多いから簡単なものにしようっていう方向性になった。

私も目立つのはそんなに好きじゃないから全く異論は無かったけど。


にしても暇だ。

お客さんもチラホラしか来ないし、基本はずっと適当に響子ちゃんとお喋りしている。



「……うわ、面倒なのが来た」



そんなほのぼのとした空間を過ごしていると、響子ちゃんが扉の方を見てあからさまに顔を歪ませた。

なんだろうと思って私も扉の方を見てみる。



「あ、もっちー!来てくれたんだ!」


「うっすー、様子見に来てやったぜー。にしても地味だなぁ、ここは。なぁ野田ちん」


「おー、メイド喫茶とかじゃねぇもんな」



ヘラヘラとクラスの中を見渡す望月君、はいつも通りとして……

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