俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
まず第一に行きたい場所として真っ先に思いついたのが、望月君のクラスだ。
メイク教室らしいから望月君は居ないけど、それはそれとして友達のクラスには行ってみたいよね。
望月君のクラスの中をそーっと扉から覗いていると、響子ちゃんがこっそりと私に耳打ちしてきた。
「あそこにメイクしてる金髪ショートの女子居るじゃない?」
「え?うん。可愛いギャルっぽい子の事だよね?」
「あれ望月の元カノだよ」
えっ!?!?と叫びたい気持ちを必死に喉元で押し殺す。
望月君がどういう子がタイプとか聞いてこなかったけど、あんな奇抜な子が好みだったなんて意外だ。
「ひぇ〜…!!も、もっちーってああいう子が好きだったんだ……」
「さぁ?告白されたから付き合っただけらしいけど」
「今はもっちーの友達と付き合ってるんだっけ?」
「そうみたいね。どういう神経してんのか知らないけど」
フン、と鼻を不機嫌そうに鳴らして望月君の元カノを見る響子ちゃん。
正直、元宮君と私達の関係性を考えると笑えない状況ではあるので苦笑いを浮かべる程度にしておく。
「ほら、柚。もう行くわよ」
「え?メイクとかして貰わなくていいの?」
「あの女にメイクして貰っても気分が悪いだけだから」
響子ちゃんはバッサリ言い切った。
にしても、響子ちゃんも望月君の元カノってだけでえらい嫌いようだ。
私が知らないだけで二人の間にも一悶着あったのかもしれないなぁ。
響子ちゃんは特別可愛いし、望月君とあれだけ距離が近かったら誤解される事も多いだろう。
かくいう私もその一人なんだけど。