嫌われ者で悪役令嬢の私ですが、殿下の心の声には愛されているみたいです。
40
オルフレット様の執務室からの帰り道、ロレッテは窓の外を眺めながら、今日の出来事を思い出していた。メアリスさんの目的はなんなのだろう? オルフレット様と恋仲になりたいのもあるけど――ほかに何かあるように感じた。
(……確か彼女の側に騎士団長の長子エステバン・シュナイザー様と、魔法省所長の長子ステルラ・レジモード様がいると聞いている)
2人とも彼女にベッタリくっ付いていると、オルフレット様に聞いた。だが、エステバン様とステルラ様には愛する婚約者がいたはず。なのに、メアリスさんの側にいるのだらうか?
彼女がロレッテを呼ぶときに言う悪役令嬢。
オルフレット様に対して使う、イベント、フラグ等の言葉も気になっている。
――どうして、その言葉が気になるのかしら? いくら、考えても分からないわ。
ふうっと、ため息を吐いた。
「ロレッテお嬢様、お疲れでしたらおやすみください」
「ありがとう、リラ。あなたも疲れていたら休んでね」
「ありがとうございます、お嬢様」
ロレッテとリラは馬車に寄りかかり、目をつむった。
❀
ロレッテが帰り静かになった、執務室でオルフレットは思う。王都に出来たサンドイッチ屋は、母上が開いた店だということが分かった。王城に母上も戻ればいいと思ったが、これは好都合かもしれない。
学園の夏季休暇に視察へと出たとき、大切なロレッテを母上に守ってもらえる。ロレッテがいつ、オルフレットの知らないところで、セルバンに狙われるかもわからない。
――明日、母上に会って話さなくては。
「戻りました。オルフレット様にお伝えしたいことがあります」
ロレッテとリラを馬車まで送り、戻ってきたカウサは報告があると、自分の父と兄から聞いた話をオルフレットにはなした。
――その内容に驚くしかない。
「なに、それは本当なのか?」
「はい、王太子の側近として付く兄から聞いたので、確かな情報です」
王太子主催の舞踏会で、怪しげなお香が焚かれている。
そのお香の原料はセルバンの国――ローリゲスで採れる貴重な薬草らしい。
しかし、妙な話だ。
前に父上から聞いた話では、隣国の王に手紙を出しても返信が返らないと言っていた。また、カウサの家の者が父上の命令を受け、ローリゲス国に偵察に行ったがまだ報告がないらしい。
――ローリゲス国で、なにが起きているのか?
――セルバンは何も聞いていないのか?
分からないことばかりだが。奴らの尻尾を掴んだら、この手で握り潰し全てに蹴りをつける。
兄上――あなたもだ。
全てを終わらせて、平和な日々を取り戻したいものだ。
(……確か彼女の側に騎士団長の長子エステバン・シュナイザー様と、魔法省所長の長子ステルラ・レジモード様がいると聞いている)
2人とも彼女にベッタリくっ付いていると、オルフレット様に聞いた。だが、エステバン様とステルラ様には愛する婚約者がいたはず。なのに、メアリスさんの側にいるのだらうか?
彼女がロレッテを呼ぶときに言う悪役令嬢。
オルフレット様に対して使う、イベント、フラグ等の言葉も気になっている。
――どうして、その言葉が気になるのかしら? いくら、考えても分からないわ。
ふうっと、ため息を吐いた。
「ロレッテお嬢様、お疲れでしたらおやすみください」
「ありがとう、リラ。あなたも疲れていたら休んでね」
「ありがとうございます、お嬢様」
ロレッテとリラは馬車に寄りかかり、目をつむった。
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ロレッテが帰り静かになった、執務室でオルフレットは思う。王都に出来たサンドイッチ屋は、母上が開いた店だということが分かった。王城に母上も戻ればいいと思ったが、これは好都合かもしれない。
学園の夏季休暇に視察へと出たとき、大切なロレッテを母上に守ってもらえる。ロレッテがいつ、オルフレットの知らないところで、セルバンに狙われるかもわからない。
――明日、母上に会って話さなくては。
「戻りました。オルフレット様にお伝えしたいことがあります」
ロレッテとリラを馬車まで送り、戻ってきたカウサは報告があると、自分の父と兄から聞いた話をオルフレットにはなした。
――その内容に驚くしかない。
「なに、それは本当なのか?」
「はい、王太子の側近として付く兄から聞いたので、確かな情報です」
王太子主催の舞踏会で、怪しげなお香が焚かれている。
そのお香の原料はセルバンの国――ローリゲスで採れる貴重な薬草らしい。
しかし、妙な話だ。
前に父上から聞いた話では、隣国の王に手紙を出しても返信が返らないと言っていた。また、カウサの家の者が父上の命令を受け、ローリゲス国に偵察に行ったがまだ報告がないらしい。
――ローリゲス国で、なにが起きているのか?
――セルバンは何も聞いていないのか?
分からないことばかりだが。奴らの尻尾を掴んだら、この手で握り潰し全てに蹴りをつける。
兄上――あなたもだ。
全てを終わらせて、平和な日々を取り戻したいものだ。