嫌われ者で悪役令嬢の私ですが、殿下の心の声には愛されているみたいです。
43
翌朝、ロレッテは学園に休暇申請の手紙を送り、リラを連れて王妃様が営むサンドイッチ屋へ向かった。その店の場所は、王都の中央から離れた西側の端にあった。
元は宿屋で、その一角をサンドイッチ屋に改造しているからか。店屋の裏は広い厨房とホール、お風呂トイレあり。2階で寝泊まりできる仕組みに、なっていると聞いている。
店の裏口から入ると、中でお母様が待っていた。
「来たのね。ロレッテ、リラ、おはよう」
「おはようございます、ミンヤお母様!」
「おはようございます、奥様」
「王妃から話は聞いたわ。でも、ここで、あなたを囲ってあげたいのは山々なのだけど……この店が予想以上に繁盛してしまって……開店すると客がどっと来るから、ロレッテとリラも王妃を手伝いなさい」
(オルフレット様にいただいたサンドイッチ、すごく美味しかったから、わかる気がする)
「わかりました」
「わかりました、奥様」
お母様に動きやすいワンピースを貰い、2階の割り振られた部屋で着替え、髪はリラにおさげにしてもらった。
(おさげとワンピース姿なら、誰が見ても私だとわからないわ)
店は11時オープンで1時閉店となっている。オープン前から人が並び、開店と同時にお客様はどっと押し寄せた。
「いらっしゃいませ、ご注文を受けたわります」
「こちらが商品となります、ありがとうございました」
これは。お母様がおっしゃっていた以上のお昼の混雑――王妃様とエリー様は厨房でサンドイッチを作り。慣れないながらもロレッテとリラ、ミンヤお母様は注文を受けて、サンドイッチをお客様に渡した。
(サンドイッチの値段が手頃だから、子供からお年寄りまで買いに来ているわ)
混雑したお昼時が終わると王妃様達は休も間も無く、今度は大量にパンと焼きじゃがいもを蒸していた。どこに持って行くのか王妃様に聞くと、近くの教会に持って行くと言った。
本来なら毎月、教会へ食べ物、服、生活品を送っていたが。この状況になり数ヶ月もの間、教会へ遅れずにいた。
「お腹を空かせている子供達に、お腹いっぱい食べてもらいたい。王都の皆――いいえ、国民の皆んなが豊かな国を作りたいのです」
王妃様の瞳は真っ直ぐ、王都中を見ていた。
「ロレッテさん」
王都を見ていた瞳は、今度はロレッテを見つめ。
「オルフレットが辛いとき側にいてくれて、あの子を嫌いにならないでいてくれてありがとう。あの子はあなたが好きで好きで、もう本当に好きなの――」
「……は、はい」
「照れなくてもいいわ、本当のことですもの。――でも、オルフレットに、わたくしが言ったことは内緒にしてね」
「わかりました」
(オルフレット様が私を好き……私も好きです、オルフレット様)
胸に輝く、ピンク色の石が付いたペンダンドを触り、彼のことを想う。
(オルフレット様も、今日の視察は終わったのかしら?)
そう彼の事を考えたとき、ペンダンドが眩しい光を放った。
元は宿屋で、その一角をサンドイッチ屋に改造しているからか。店屋の裏は広い厨房とホール、お風呂トイレあり。2階で寝泊まりできる仕組みに、なっていると聞いている。
店の裏口から入ると、中でお母様が待っていた。
「来たのね。ロレッテ、リラ、おはよう」
「おはようございます、ミンヤお母様!」
「おはようございます、奥様」
「王妃から話は聞いたわ。でも、ここで、あなたを囲ってあげたいのは山々なのだけど……この店が予想以上に繁盛してしまって……開店すると客がどっと来るから、ロレッテとリラも王妃を手伝いなさい」
(オルフレット様にいただいたサンドイッチ、すごく美味しかったから、わかる気がする)
「わかりました」
「わかりました、奥様」
お母様に動きやすいワンピースを貰い、2階の割り振られた部屋で着替え、髪はリラにおさげにしてもらった。
(おさげとワンピース姿なら、誰が見ても私だとわからないわ)
店は11時オープンで1時閉店となっている。オープン前から人が並び、開店と同時にお客様はどっと押し寄せた。
「いらっしゃいませ、ご注文を受けたわります」
「こちらが商品となります、ありがとうございました」
これは。お母様がおっしゃっていた以上のお昼の混雑――王妃様とエリー様は厨房でサンドイッチを作り。慣れないながらもロレッテとリラ、ミンヤお母様は注文を受けて、サンドイッチをお客様に渡した。
(サンドイッチの値段が手頃だから、子供からお年寄りまで買いに来ているわ)
混雑したお昼時が終わると王妃様達は休も間も無く、今度は大量にパンと焼きじゃがいもを蒸していた。どこに持って行くのか王妃様に聞くと、近くの教会に持って行くと言った。
本来なら毎月、教会へ食べ物、服、生活品を送っていたが。この状況になり数ヶ月もの間、教会へ遅れずにいた。
「お腹を空かせている子供達に、お腹いっぱい食べてもらいたい。王都の皆――いいえ、国民の皆んなが豊かな国を作りたいのです」
王妃様の瞳は真っ直ぐ、王都中を見ていた。
「ロレッテさん」
王都を見ていた瞳は、今度はロレッテを見つめ。
「オルフレットが辛いとき側にいてくれて、あの子を嫌いにならないでいてくれてありがとう。あの子はあなたが好きで好きで、もう本当に好きなの――」
「……は、はい」
「照れなくてもいいわ、本当のことですもの。――でも、オルフレットに、わたくしが言ったことは内緒にしてね」
「わかりました」
(オルフレット様が私を好き……私も好きです、オルフレット様)
胸に輝く、ピンク色の石が付いたペンダンドを触り、彼のことを想う。
(オルフレット様も、今日の視察は終わったのかしら?)
そう彼の事を考えたとき、ペンダンドが眩しい光を放った。