嫌われ者で悪役令嬢の私ですが、殿下の心の声には愛されているみたいです。
オルフレットとロレッテ
待ちにまった、二人の時間が来た。
「ロレッテ嬢、今日は慌てないでね」
「もう、オルフレット様……わかっております」
まだ3日前のことを、おっしゃっているのですね。
あれは事故なんです……ただ、おっちょこちょいのロレッテが起こした事故。
――そろそろ、忘れて欲しいですわ。
❀
あれは3日前のこと。その日も、オルフレット様に会える時間を楽しみにしていた。もうすぐ彼に繋がると、会えると、ロレッテはサンドイッチ店の裏口に慌て向かった。
慌て過ぎてロレッテの足元が疎かになっていた。
ちょうどそこに、水の入った桶が置いてあったのだ。
「きゃっ⁉︎」
バシャッと桶に足を引っ掛けて、転んだそのときにオルフレット様と繋がってしまった。
「ロレッテ嬢、こんばんは……え、ロレッテ嬢? どうしたの?」
どのように転んだのか分からないが、オルフレット様が驚くほど、頭からずぶ濡れのロレッテがいた。
「ケガはしていないか?」
「はい……ケガはしておりません。……会えるのが嬉しくって急いてしまい。この様な姿をお見せしてしまいましたわ」
恥ずかしい、オルフレット様にみっともない姿を見せてしまいましたわ。
「そんなに濡れていては風邪をひいてしまう、タオルを貰ってきなさい」
この時ロレッテは自分が動いても、胸にペンダントがあり、映像が着いてくることを気付いていなかった。ようやくオルフレット様にお会いできて離れるのが嫌で。
「嫌です、この時間を楽しみにしてるのだもの、どこにも行きませんわ……うっ、うう、オルフレット様と離れたくないの」
「ロレッテ嬢⁉︎」
ロレッテは我が儘な子になり……彼の前で初めて、泣いた。その後も駄々っ子のロレッテは、オルフレット様が何を言っても嫌々だと言い、心配するオルフレット様を困らせたのだった。
❀
いまそのことを思い出すだけで、恥ずかしくて、穴があったら隠れてしまいたいのだが。オルフレット様は初めて見た、ロレッテの姿を楽しげに語る。
「ロレッテ嬢、可愛かった。あんなに駄々をこねる姿、泣き顔も初めて見たよ」
「あ、ああ……オルフレット様、その事はお忘れてになってください」
そう伝えても、彼は首を振り。
「嫌だ、忘れないよ。そのとき側にいて守りたかった……」
「オルフレット様、ありがとうございます」
「フフ。――そうだ、ロレッテ嬢に伝えることがあった。用事で5日後、そちらに戻るからそこで会おう」
「え、本当ですか!」
後5日後に、オルフレット様とお会いできる。
「嬉しい、待っております」
「僕も嬉しいよ。いっぱいロレッテ嬢を抱きしめさせてね」
「はい、私もいっぱい抱きつきますわ」
幸せそうに笑い合うロレッテたちを、王妃達は物陰から、温かく見守っていた。
「ロレッテ嬢、今日は慌てないでね」
「もう、オルフレット様……わかっております」
まだ3日前のことを、おっしゃっているのですね。
あれは事故なんです……ただ、おっちょこちょいのロレッテが起こした事故。
――そろそろ、忘れて欲しいですわ。
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あれは3日前のこと。その日も、オルフレット様に会える時間を楽しみにしていた。もうすぐ彼に繋がると、会えると、ロレッテはサンドイッチ店の裏口に慌て向かった。
慌て過ぎてロレッテの足元が疎かになっていた。
ちょうどそこに、水の入った桶が置いてあったのだ。
「きゃっ⁉︎」
バシャッと桶に足を引っ掛けて、転んだそのときにオルフレット様と繋がってしまった。
「ロレッテ嬢、こんばんは……え、ロレッテ嬢? どうしたの?」
どのように転んだのか分からないが、オルフレット様が驚くほど、頭からずぶ濡れのロレッテがいた。
「ケガはしていないか?」
「はい……ケガはしておりません。……会えるのが嬉しくって急いてしまい。この様な姿をお見せしてしまいましたわ」
恥ずかしい、オルフレット様にみっともない姿を見せてしまいましたわ。
「そんなに濡れていては風邪をひいてしまう、タオルを貰ってきなさい」
この時ロレッテは自分が動いても、胸にペンダントがあり、映像が着いてくることを気付いていなかった。ようやくオルフレット様にお会いできて離れるのが嫌で。
「嫌です、この時間を楽しみにしてるのだもの、どこにも行きませんわ……うっ、うう、オルフレット様と離れたくないの」
「ロレッテ嬢⁉︎」
ロレッテは我が儘な子になり……彼の前で初めて、泣いた。その後も駄々っ子のロレッテは、オルフレット様が何を言っても嫌々だと言い、心配するオルフレット様を困らせたのだった。
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いまそのことを思い出すだけで、恥ずかしくて、穴があったら隠れてしまいたいのだが。オルフレット様は初めて見た、ロレッテの姿を楽しげに語る。
「ロレッテ嬢、可愛かった。あんなに駄々をこねる姿、泣き顔も初めて見たよ」
「あ、ああ……オルフレット様、その事はお忘れてになってください」
そう伝えても、彼は首を振り。
「嫌だ、忘れないよ。そのとき側にいて守りたかった……」
「オルフレット様、ありがとうございます」
「フフ。――そうだ、ロレッテ嬢に伝えることがあった。用事で5日後、そちらに戻るからそこで会おう」
「え、本当ですか!」
後5日後に、オルフレット様とお会いできる。
「嬉しい、待っております」
「僕も嬉しいよ。いっぱいロレッテ嬢を抱きしめさせてね」
「はい、私もいっぱい抱きつきますわ」
幸せそうに笑い合うロレッテたちを、王妃達は物陰から、温かく見守っていた。