嫌われ者で悪役令嬢の私ですが、殿下の心の声には愛されているみたいです。
46
オルフレット様に会える日の前、ロレッテは屋敷にリラとドレスを数着と髪飾りを取りに戻り。次の日の早朝、サンドイッチ屋でバタバタ準備をしていた。
「リラ、どう髪型とか変じゃない?」
「素敵ですよ、ロレッテお嬢様」
今日は久しぶりに、オルフレット様とお会いできる日。オルフレットに佐様からいただいたペンダントのお陰で、毎日、彼と会話はしているけど……お会いするのは久しぶり。
「ねぇリラ。昨日、早朝に出るとおっしゃっていたから、お昼前にはご到着するかしら?」
「そう思います――昨日、ロレッテお嬢様が話していた、エリッソ街に滞在されておられるのでしたら。そこからですと3、4時間はかかるかと思われます」
「そっか。3、4時間後かかるのね、わかったわ」
本日は臨時休業のサンドイッチ屋。王妃様とエリー様はは「わたくしも、シル君に会いたいわ!」と、陛下に会いに王城へと向かっている。
(王妃様は今頃、国王陛下とお会いできたのかしら?)
多分。お昼頃にご到着するオルフレット様と、お昼を一緒に取ろうと思い、ロレッテはリラのお手伝いをしている。今、作っているのは――チーズとハムのホットサンドと、キッシュ、コーンスープ、サラダ。デザートにワッフルを焼く予定だ。
お昼頃、お着きになる時間に温かく出せるようと、時間を調節していた。
時刻は11時に差し掛かる。
「もう直ぐ、オルフレット様がお着きになるわ」
そわそわ、うろうろ、サンドイッチ屋の奥のホールを動き、ロレッテは柱時計を何度も確かめた。――しかし、11時を過ぎ12時になっても、オルフレット様が乗る馬車はご到着しない。
(到着の時間が遅れるとの連絡が無いわ。――まさか、オルフレット様の身に何かあったのかしら?)
心配でいてもたってもおれず、私は店の前でご到着を待つことにした。
❀
オルフレットの遅れた理由は、隣国との国を結ぶアルータ橋はいま職人と魔術師により修復中。その橋を隣国ローリゲスから大荷車を操り、やって来た商人が通ろうとして、見張りの騎士によって止められていた。
「只今、このアルータ橋は修復中で歩いてしか通れません。連絡がそちらの国にいっているはずだが知らないのか?」
「その様な連絡は、私どもの所にきておりません。至急、ウルラート国、シルベウス国王陛下に薬草を届ける様にとの、ご注文を受けまして……」
おかしな話。アルータ橋の修復の連絡は修復が始まる日に、日程などを書き留めてた書状を隣国ローリゲスの役所に送ったはず。書状を受け取ったローリゲスの役所から、国と国を行き交う商人へと届いていない事になる。
だが、他のローリゲス国からの商人は、相乗り馬車などで近くの村まで来て、そこから手荷物などを背負って歩いて渡っている。この大荷物を運ぶローリゲス国の商人が、アルータ橋の修復作業を知らないのはおかしな話。
「その積みには本当に、ウルラートの国王陛下が貴方に注文をしたものか?」
「左様ですが」
「では、注文書か書状はお持ちかな?」
「はい、両方ここに」
商人の男が出した注文書と書状は紛れもなく、シルベウス国王陛下の実印が押されて、隣には隣国ローリゲス国王陛下の判も押されていた。
だが、注文書の欄に薬草としか書かれてい。調べをする騎士は怪しく思ったが、シルベウス国王陛下の実印が押されている以上、追求はできない。
「注文書と書状の確認はした。アルータ橋を通ってもよいが……その荷馬車では通れない。荷馬車をここに置き、積荷を自身でお運びください」
その言葉に焦る商人。
「いや、待ってください。積荷はかなりの量ですので、1人で抱えて橋を渡れません。騎士様のどちらかお手伝っていただけませんか?」
「それは無理な話――私達は任務を命じられてここにいる。この持ち場を離れることはできぬ」
「では騎士様、このアルータ橋はいつ頃直りますか? 他にも渡れる橋は近くにないでしょうか」
「橋の修復は一ヶ月ぐらいはかかる。ここから東に遠回りすれば橋があるが――その様な大きな荷馬車が通れるかは分からない。少しずつ運ぶか、他の国境へ向かいそこから国に入ると良い」
「そ、それでは既にいただいた料金よりも高くついてしまいます。……ここ仕方ありません。一旦国に戻り、シルベウス国王陛下に連絡を入れようと思います」
両人は騎士に頭を下げると踵を返して、来た方角に戻っていった。商人の姿が見えなくなり、警備をする騎士の1人が話だした、
「なぁ、いまの聞いたか。シルベウス国王陛下に薬草を届けるだと……陛下が薬草をローリゲス国から買うなんて話、王城で聞いたことがあるか?」
「ない、初耳だ。だが、商人が持参していた書状は本物だったが……あの注文書には薬草としか書かれていなかった。この話、オルフレット殿下に報告した方がいいかもな」
「わかった、直ぐに報告する」
見張りの騎士はローリゲス国の商人が、シルベウス国王に薬草を運ぼうとしていたこと。商人が持っていた注文書と書状は本物だったと手紙に書くと。通信用のフクロウを使い、オルフレットの所へと飛ばした。
❀
オルフレットは滞在する宿から出る前に、橋を警備する騎士から通信用のフクロウが来たと、カウサに報告を受けた。
騎士から届いた手紙を確認したオルフレットは、その内容を見過ごす事ができず。アルータ橋を警備する、騎士の所に詳しく話を聞きに向かっていた。
「リラ、どう髪型とか変じゃない?」
「素敵ですよ、ロレッテお嬢様」
今日は久しぶりに、オルフレット様とお会いできる日。オルフレットに佐様からいただいたペンダントのお陰で、毎日、彼と会話はしているけど……お会いするのは久しぶり。
「ねぇリラ。昨日、早朝に出るとおっしゃっていたから、お昼前にはご到着するかしら?」
「そう思います――昨日、ロレッテお嬢様が話していた、エリッソ街に滞在されておられるのでしたら。そこからですと3、4時間はかかるかと思われます」
「そっか。3、4時間後かかるのね、わかったわ」
本日は臨時休業のサンドイッチ屋。王妃様とエリー様はは「わたくしも、シル君に会いたいわ!」と、陛下に会いに王城へと向かっている。
(王妃様は今頃、国王陛下とお会いできたのかしら?)
多分。お昼頃にご到着するオルフレット様と、お昼を一緒に取ろうと思い、ロレッテはリラのお手伝いをしている。今、作っているのは――チーズとハムのホットサンドと、キッシュ、コーンスープ、サラダ。デザートにワッフルを焼く予定だ。
お昼頃、お着きになる時間に温かく出せるようと、時間を調節していた。
時刻は11時に差し掛かる。
「もう直ぐ、オルフレット様がお着きになるわ」
そわそわ、うろうろ、サンドイッチ屋の奥のホールを動き、ロレッテは柱時計を何度も確かめた。――しかし、11時を過ぎ12時になっても、オルフレット様が乗る馬車はご到着しない。
(到着の時間が遅れるとの連絡が無いわ。――まさか、オルフレット様の身に何かあったのかしら?)
心配でいてもたってもおれず、私は店の前でご到着を待つことにした。
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オルフレットの遅れた理由は、隣国との国を結ぶアルータ橋はいま職人と魔術師により修復中。その橋を隣国ローリゲスから大荷車を操り、やって来た商人が通ろうとして、見張りの騎士によって止められていた。
「只今、このアルータ橋は修復中で歩いてしか通れません。連絡がそちらの国にいっているはずだが知らないのか?」
「その様な連絡は、私どもの所にきておりません。至急、ウルラート国、シルベウス国王陛下に薬草を届ける様にとの、ご注文を受けまして……」
おかしな話。アルータ橋の修復の連絡は修復が始まる日に、日程などを書き留めてた書状を隣国ローリゲスの役所に送ったはず。書状を受け取ったローリゲスの役所から、国と国を行き交う商人へと届いていない事になる。
だが、他のローリゲス国からの商人は、相乗り馬車などで近くの村まで来て、そこから手荷物などを背負って歩いて渡っている。この大荷物を運ぶローリゲス国の商人が、アルータ橋の修復作業を知らないのはおかしな話。
「その積みには本当に、ウルラートの国王陛下が貴方に注文をしたものか?」
「左様ですが」
「では、注文書か書状はお持ちかな?」
「はい、両方ここに」
商人の男が出した注文書と書状は紛れもなく、シルベウス国王陛下の実印が押されて、隣には隣国ローリゲス国王陛下の判も押されていた。
だが、注文書の欄に薬草としか書かれてい。調べをする騎士は怪しく思ったが、シルベウス国王陛下の実印が押されている以上、追求はできない。
「注文書と書状の確認はした。アルータ橋を通ってもよいが……その荷馬車では通れない。荷馬車をここに置き、積荷を自身でお運びください」
その言葉に焦る商人。
「いや、待ってください。積荷はかなりの量ですので、1人で抱えて橋を渡れません。騎士様のどちらかお手伝っていただけませんか?」
「それは無理な話――私達は任務を命じられてここにいる。この持ち場を離れることはできぬ」
「では騎士様、このアルータ橋はいつ頃直りますか? 他にも渡れる橋は近くにないでしょうか」
「橋の修復は一ヶ月ぐらいはかかる。ここから東に遠回りすれば橋があるが――その様な大きな荷馬車が通れるかは分からない。少しずつ運ぶか、他の国境へ向かいそこから国に入ると良い」
「そ、それでは既にいただいた料金よりも高くついてしまいます。……ここ仕方ありません。一旦国に戻り、シルベウス国王陛下に連絡を入れようと思います」
両人は騎士に頭を下げると踵を返して、来た方角に戻っていった。商人の姿が見えなくなり、警備をする騎士の1人が話だした、
「なぁ、いまの聞いたか。シルベウス国王陛下に薬草を届けるだと……陛下が薬草をローリゲス国から買うなんて話、王城で聞いたことがあるか?」
「ない、初耳だ。だが、商人が持参していた書状は本物だったが……あの注文書には薬草としか書かれていなかった。この話、オルフレット殿下に報告した方がいいかもな」
「わかった、直ぐに報告する」
見張りの騎士はローリゲス国の商人が、シルベウス国王に薬草を運ぼうとしていたこと。商人が持っていた注文書と書状は本物だったと手紙に書くと。通信用のフクロウを使い、オルフレットの所へと飛ばした。
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オルフレットは滞在する宿から出る前に、橋を警備する騎士から通信用のフクロウが来たと、カウサに報告を受けた。
騎士から届いた手紙を確認したオルフレットは、その内容を見過ごす事ができず。アルータ橋を警備する、騎士の所に詳しく話を聞きに向かっていた。