嫌われ者で悪役令嬢の私ですが、殿下の心の声には愛されているみたいです。
51
「オルフレット様、お待たせしました。後はリラが見回ってくれます……あの、オルフレット様?」
ホールでお待ちになっている、オルフレット様に声をかけた。
「…………」
(あれ? 聞こえていらっしゃらない?)
彼の側には側近のカウサ様はおらず、オルフレット様は何かお考え中なのか壁の方を向いて立っている。どうしたのかしら? と声をかけようとした。
〈お、落ち着くんだボク。ここに来るまで、馬車の中でカウサと練習したではないか。一緒に……これでいいかな? いや、まだ別の誘い方の方がいいか……〉
(誘い方?)
「あの、オルフレット様どうなされました?」
〈来た……よし、ロレッテに言うぞ!〉
(はい?)
オルフレット様は何かを伝えたいのか、こちらを向いた彼はいつにも増して、真面目な表情を浮かべロレッテの肩をがっちり掴んだ。
「ロ、ロレッテ嬢、僕のとった宿について来てはくれないか。ロレッテ嬢とい、一緒に過ごしたい」
夜を過ごす⁉︎
「オルフレット様と、一緒の夜を過ごすのですか?」
それは衝撃なことだった。
ぼっ、ぼっ、ぼっ、音が聞こえるくらい、オルフレット様の申し出に驚き、一気に頬が熱くなる。
〈ああ、ロレッテが……トマトのように真っ赤になった可愛い。その可愛い頬にキスしたい〉
(私の、トマトの様な頬にキスしたい?)
「僕と一緒は、だめかな?」
(……だ、だめじゃないですわ)
そう、伝えたいのに言葉にならなくて。でも伝えたくて、必死にオルフレット様の顔を見て首を横に振った。ロレッテの気持ちがオルフレット様に通じたのか、彼の瞳がうれしげに細まった。
〈よかった、断られなくて〉
(オルフレット様からの誘いは断りませんわ……嬉しい)
「後はカウサとリラに任せて、少し夜の王都の中を散歩しないか?」
オルフレット様は私に、行こうと手を差し出した。
「夜の王都を散歩ですか?」
「うん、普通のときなら周りの目があって出来ないけど、今のお互いの姿なら誰も気付かない。それに、こんなチャンスは2度と無いかもしれない。ロレッテ嬢、宿まで王都を探索しながら歩きませんか?」
「はい! よろこんで、オルフレット様」
おさげの髪、メガネとワンピース姿のロレッテは。
執事姿のオルフレット様の手を、ウキウキと握り返した。
ホールでお待ちになっている、オルフレット様に声をかけた。
「…………」
(あれ? 聞こえていらっしゃらない?)
彼の側には側近のカウサ様はおらず、オルフレット様は何かお考え中なのか壁の方を向いて立っている。どうしたのかしら? と声をかけようとした。
〈お、落ち着くんだボク。ここに来るまで、馬車の中でカウサと練習したではないか。一緒に……これでいいかな? いや、まだ別の誘い方の方がいいか……〉
(誘い方?)
「あの、オルフレット様どうなされました?」
〈来た……よし、ロレッテに言うぞ!〉
(はい?)
オルフレット様は何かを伝えたいのか、こちらを向いた彼はいつにも増して、真面目な表情を浮かべロレッテの肩をがっちり掴んだ。
「ロ、ロレッテ嬢、僕のとった宿について来てはくれないか。ロレッテ嬢とい、一緒に過ごしたい」
夜を過ごす⁉︎
「オルフレット様と、一緒の夜を過ごすのですか?」
それは衝撃なことだった。
ぼっ、ぼっ、ぼっ、音が聞こえるくらい、オルフレット様の申し出に驚き、一気に頬が熱くなる。
〈ああ、ロレッテが……トマトのように真っ赤になった可愛い。その可愛い頬にキスしたい〉
(私の、トマトの様な頬にキスしたい?)
「僕と一緒は、だめかな?」
(……だ、だめじゃないですわ)
そう、伝えたいのに言葉にならなくて。でも伝えたくて、必死にオルフレット様の顔を見て首を横に振った。ロレッテの気持ちがオルフレット様に通じたのか、彼の瞳がうれしげに細まった。
〈よかった、断られなくて〉
(オルフレット様からの誘いは断りませんわ……嬉しい)
「後はカウサとリラに任せて、少し夜の王都の中を散歩しないか?」
オルフレット様は私に、行こうと手を差し出した。
「夜の王都を散歩ですか?」
「うん、普通のときなら周りの目があって出来ないけど、今のお互いの姿なら誰も気付かない。それに、こんなチャンスは2度と無いかもしれない。ロレッテ嬢、宿まで王都を探索しながら歩きませんか?」
「はい! よろこんで、オルフレット様」
おさげの髪、メガネとワンピース姿のロレッテは。
執事姿のオルフレット様の手を、ウキウキと握り返した。