嫌われ者で悪役令嬢の私ですが、殿下の心の声には愛されているみたいです。
72
乳鉢で粉末にしたデーアラルムの花に、アルカか魔法で出した水を少しずつ混ぜている。だんだんと調合室の中は、香辛料の様なピリリとする、香りが立ち込めはじめた。
次に、練り上がったものをテーブルで平らに伸ばして細長く切り、最後に風魔法で乾燥させる。
「ロレッテ様、解毒薬ができた。あとは各部屋に皿を置き出来上がった解毒薬を乗せて、火をつけ煙を吸わせれば。約1、2時間くらいで目を覚ますと思われます」
(ようやく解毒薬ができたわ。はやく目を覚ましてオルフレット様の声が聞きたい、抱きしめられたい……)
❀
置き手紙を置き姿を消したロレッテに、何か言いたげなお父様に、解毒薬が出来たと伝え。ロレッテとアルカ、シルベスター君は王城を駆け回り、出来上がった解毒薬に火を灯した。城の中がピリリとした香辛料の香りが立ち込めはじめる。
解毒薬を全ての部屋に置き、お父様が待つ応接間へと集まった。この応接間にお母様とメイドのリラも集まり、みんなはソファに座り今回の話を始めた。
「宰相様、これで眠ってしまった人達は時期に目をしまします。そして、今回の眠り事件は隣国で栽培されているサンム草という、薬草の過剰摂取によるものです」
「まぁ、原因がサンム草ですって? いま、婦人達の間で人気の、リラックスが出来るお香がですか?」
お母様は肩を震わせ驚いた。そう、いま王都中でサンム草のお香は、リラックスが出来ると売られている流行りのお香。
「普通に、お香を使えばなんでことはないのですが。大量に香を焚きその煙を吸うと、深い眠りに陥る効果があります。その為、店では少量での販売しかしておりません」
「では、何者かがリラックス以外の効果を知っていて、悪用したということですか?」
「ええ、わたしはそうだと思っています」
アルカは、お父様に頷いた。
続いてお父様は。
「犯人はわかっているのでしょうか? そして、解毒薬は、どの様に手に入れられたのですか?」
と聞くも。
アルカは首を横に振る。
「すみません。犯人について、いま調べている途中ですので、まだお答えすることはできませんが。解毒薬となるデーアラルム草は特殊な薬草。その、デーアラルム草を見つけたのは宰相様の娘、ロレッテ様です」
お父様とお母様、メイドのリラが瞳を大きく開いた。
「ロレッテが、この解毒草を見つけた? どうやって見つけたんだ?」
ロレッテは【収納箱】を開き、一冊の薬草の本を取り出し、サンム草が載るページを開いた。
「驚くかもしれませんが。このページに文字が隠されていて、その文字が私には読めました……そして、本の最後に解毒草のヒントもあり。アルカさんの弟子、シルベスター君と一緒に薬草を探しに王城を出ました」
両親には神と女神にあったからとは言わず、偶然に読めたと伝えた。
「シルベスター? そうか……だから、あんな置き手紙だけを置いて、いなくなったのか?」
「はい。みんなを、オルフレット様を助けたくて……」
お父様は腕を組み、渋い顔を浮かべ。
「今回は無事に帰ってこれたからよかったが。万が一、ロレッテが怪我をしたらどうするんだ! ミンヤとリラは一睡もせず、お前の帰りを待っていたのだぞ……」
「え?」
その言葉に――ロレッテは返す言葉がない。自分勝手に行動して、大変なときに置き手紙だけ置いていなくなり、お父様達に心配をかけた。
「ごめんなさい、お母様、リラ……お父様も心配をかけました」
「ほんとうです。ですが、ロレッテが無事に帰ってきてよかったわ」
「はい、お嬢様に何もなくてよかったです」
ミンヤお母様が「いらっしゃい」と手を開く、その腕の中に飛び込むと抱きしめてくれた。
「宰相様!」
大きな声と、大きな音を立てて応接間の扉が開き「失礼致します!」と騎士が入ってくる。人手が足りなくてお父様が呼んだのだろう、その人物は王都警備服を着ていた。
「何かあったのか?」
「はい! 宰相様、皆様、オルフレット様が目を覚まされました」
そう、ロレッテ達に伝えた。
次に、練り上がったものをテーブルで平らに伸ばして細長く切り、最後に風魔法で乾燥させる。
「ロレッテ様、解毒薬ができた。あとは各部屋に皿を置き出来上がった解毒薬を乗せて、火をつけ煙を吸わせれば。約1、2時間くらいで目を覚ますと思われます」
(ようやく解毒薬ができたわ。はやく目を覚ましてオルフレット様の声が聞きたい、抱きしめられたい……)
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置き手紙を置き姿を消したロレッテに、何か言いたげなお父様に、解毒薬が出来たと伝え。ロレッテとアルカ、シルベスター君は王城を駆け回り、出来上がった解毒薬に火を灯した。城の中がピリリとした香辛料の香りが立ち込めはじめる。
解毒薬を全ての部屋に置き、お父様が待つ応接間へと集まった。この応接間にお母様とメイドのリラも集まり、みんなはソファに座り今回の話を始めた。
「宰相様、これで眠ってしまった人達は時期に目をしまします。そして、今回の眠り事件は隣国で栽培されているサンム草という、薬草の過剰摂取によるものです」
「まぁ、原因がサンム草ですって? いま、婦人達の間で人気の、リラックスが出来るお香がですか?」
お母様は肩を震わせ驚いた。そう、いま王都中でサンム草のお香は、リラックスが出来ると売られている流行りのお香。
「普通に、お香を使えばなんでことはないのですが。大量に香を焚きその煙を吸うと、深い眠りに陥る効果があります。その為、店では少量での販売しかしておりません」
「では、何者かがリラックス以外の効果を知っていて、悪用したということですか?」
「ええ、わたしはそうだと思っています」
アルカは、お父様に頷いた。
続いてお父様は。
「犯人はわかっているのでしょうか? そして、解毒薬は、どの様に手に入れられたのですか?」
と聞くも。
アルカは首を横に振る。
「すみません。犯人について、いま調べている途中ですので、まだお答えすることはできませんが。解毒薬となるデーアラルム草は特殊な薬草。その、デーアラルム草を見つけたのは宰相様の娘、ロレッテ様です」
お父様とお母様、メイドのリラが瞳を大きく開いた。
「ロレッテが、この解毒草を見つけた? どうやって見つけたんだ?」
ロレッテは【収納箱】を開き、一冊の薬草の本を取り出し、サンム草が載るページを開いた。
「驚くかもしれませんが。このページに文字が隠されていて、その文字が私には読めました……そして、本の最後に解毒草のヒントもあり。アルカさんの弟子、シルベスター君と一緒に薬草を探しに王城を出ました」
両親には神と女神にあったからとは言わず、偶然に読めたと伝えた。
「シルベスター? そうか……だから、あんな置き手紙だけを置いて、いなくなったのか?」
「はい。みんなを、オルフレット様を助けたくて……」
お父様は腕を組み、渋い顔を浮かべ。
「今回は無事に帰ってこれたからよかったが。万が一、ロレッテが怪我をしたらどうするんだ! ミンヤとリラは一睡もせず、お前の帰りを待っていたのだぞ……」
「え?」
その言葉に――ロレッテは返す言葉がない。自分勝手に行動して、大変なときに置き手紙だけ置いていなくなり、お父様達に心配をかけた。
「ごめんなさい、お母様、リラ……お父様も心配をかけました」
「ほんとうです。ですが、ロレッテが無事に帰ってきてよかったわ」
「はい、お嬢様に何もなくてよかったです」
ミンヤお母様が「いらっしゃい」と手を開く、その腕の中に飛び込むと抱きしめてくれた。
「宰相様!」
大きな声と、大きな音を立てて応接間の扉が開き「失礼致します!」と騎士が入ってくる。人手が足りなくてお父様が呼んだのだろう、その人物は王都警備服を着ていた。
「何かあったのか?」
「はい! 宰相様、皆様、オルフレット様が目を覚まされました」
そう、ロレッテ達に伝えた。