嫌われ者で悪役令嬢の私ですが、殿下の心の声には愛されているみたいです。
73
騎士はオルフレット様をはじめ、他の方も目を覚まし始めたと伝えた。
デュックお父様とミンヤお母様、リラはほかの方達を見に行き。ロレッテとアルカ、シルベスター君はオルフレット様が寝かされている寝室へと移動した。
「「オルフレット様!」」
足早に部屋の中を歩きノックもせず寝室の扉を開けると。寝室のベッドに枕を背もたれにして、オルフレット様が座っている。
オルフレットはいまの自分の状態と、寝室に飛び込んできた、ロレッテたちに驚いている。
「ロレッテ? その格好はどうした? それにアルカさんとシルベスターまでいるんだい?」
(あ、聞こえないわ)
ずっと、聞こえていたオルフレット様の心の声が聞こえてこない。あたりまえだ、あのときスキルを女神に返したから当たり前なのだから。
いつも聞こえていたからか……少し寂しくて、物足りない気持ちでいっぱいなる。オルフレット様の心の声は、こんなにもロレッテに根付いていたのだと気付かされた。
「アルカ、何があったかのか詳しく説明してほしい」
「わかりました。オルフレット殿下は何者かにサンム草のお香を大量に嗅がされ、眠らされておりました。王城にいた全ての人もです」
「サンム草? あれはリフレッシュするお香じゃないのか?」
「はい。サンム草は少量ならリフレッシュする薬草ですが。大量に嗅ぐと睡眠障害を引き起こします。ですが、解毒薬を王城中に焚いたので、まだ眠ている人も時期に目を覚ますでしょう」
アルカの説明に動揺を隠せない、オルフレット様。
「僕はサンム草の嗅ぎすぎて、眠っていたのか……そうか時期に目を覚ますのか良かった。ロレッテにも心配をかけたね」
「い、いいえ、よ、かっ……た、オ、オルフェ……様が目を覚まされて……ううっ、うう、よかったですわ」
安堵して、色々な感情が込み上げて涙が止まらなくて、声も出ずただ首を横に振った。そんなロレッテにオルフレット様は、ベッドの上で両手を広げた。
「いますぐ、ロレッテを抱きしめたいな。――でも、どうして、そんなに離れた場所にるんだい? もっと側においで」
行こうとしたが、ロレッテは思い出す。
そうだ、シルベスター君とここを離れてから、お風呂に入っていないと。
「行きたいのは山々ですが……あの、いま、どうしても無理なのです」
「なぜ、いまは無理なのか?」
いま解毒薬を焚いていて、寝室はスパイシーな香りがしておりますが。オルフレット様に近付いて汗だとか、他の香りがしてしまったら……立ち直れなくなりす。
「ロレッテ、どうしてもダメなのかい? 泣いている君を胸に抱きしめたい。ロレッテ、お願い。僕の側に来て欲しい」
(私だって側に行きたいです。オルフレット様の願いも叶えたい……でも)
「大丈夫、ロレッテちゃんは臭くない。甘い、甘い花の香りがするよー」
「嘘よ、シルベスター君! そんな花の香りなんて私からしないわ! ……クラフト草の香りはすると思うけど」
「大丈夫! 変な香りがしても、オルフレットは平気だよ!」
でも、でもと悩む、ロレッテの背中をシルベスター君は鼻でグイッと押した。
「え? きゃっ⁉︎ ま、待って、私、変な香りがします!」
気付けばオルフレット様の腕の中に、ロレッテはいた。
ずっと、恋焦がれていたオルフレットの腕の中……嬉しい、よかった、恥ずかしい。いろんな感情が混じり、オルフレット様に抱きつき、ロレッテは大泣きした。
デュックお父様とミンヤお母様、リラはほかの方達を見に行き。ロレッテとアルカ、シルベスター君はオルフレット様が寝かされている寝室へと移動した。
「「オルフレット様!」」
足早に部屋の中を歩きノックもせず寝室の扉を開けると。寝室のベッドに枕を背もたれにして、オルフレット様が座っている。
オルフレットはいまの自分の状態と、寝室に飛び込んできた、ロレッテたちに驚いている。
「ロレッテ? その格好はどうした? それにアルカさんとシルベスターまでいるんだい?」
(あ、聞こえないわ)
ずっと、聞こえていたオルフレット様の心の声が聞こえてこない。あたりまえだ、あのときスキルを女神に返したから当たり前なのだから。
いつも聞こえていたからか……少し寂しくて、物足りない気持ちでいっぱいなる。オルフレット様の心の声は、こんなにもロレッテに根付いていたのだと気付かされた。
「アルカ、何があったかのか詳しく説明してほしい」
「わかりました。オルフレット殿下は何者かにサンム草のお香を大量に嗅がされ、眠らされておりました。王城にいた全ての人もです」
「サンム草? あれはリフレッシュするお香じゃないのか?」
「はい。サンム草は少量ならリフレッシュする薬草ですが。大量に嗅ぐと睡眠障害を引き起こします。ですが、解毒薬を王城中に焚いたので、まだ眠ている人も時期に目を覚ますでしょう」
アルカの説明に動揺を隠せない、オルフレット様。
「僕はサンム草の嗅ぎすぎて、眠っていたのか……そうか時期に目を覚ますのか良かった。ロレッテにも心配をかけたね」
「い、いいえ、よ、かっ……た、オ、オルフェ……様が目を覚まされて……ううっ、うう、よかったですわ」
安堵して、色々な感情が込み上げて涙が止まらなくて、声も出ずただ首を横に振った。そんなロレッテにオルフレット様は、ベッドの上で両手を広げた。
「いますぐ、ロレッテを抱きしめたいな。――でも、どうして、そんなに離れた場所にるんだい? もっと側においで」
行こうとしたが、ロレッテは思い出す。
そうだ、シルベスター君とここを離れてから、お風呂に入っていないと。
「行きたいのは山々ですが……あの、いま、どうしても無理なのです」
「なぜ、いまは無理なのか?」
いま解毒薬を焚いていて、寝室はスパイシーな香りがしておりますが。オルフレット様に近付いて汗だとか、他の香りがしてしまったら……立ち直れなくなりす。
「ロレッテ、どうしてもダメなのかい? 泣いている君を胸に抱きしめたい。ロレッテ、お願い。僕の側に来て欲しい」
(私だって側に行きたいです。オルフレット様の願いも叶えたい……でも)
「大丈夫、ロレッテちゃんは臭くない。甘い、甘い花の香りがするよー」
「嘘よ、シルベスター君! そんな花の香りなんて私からしないわ! ……クラフト草の香りはすると思うけど」
「大丈夫! 変な香りがしても、オルフレットは平気だよ!」
でも、でもと悩む、ロレッテの背中をシルベスター君は鼻でグイッと押した。
「え? きゃっ⁉︎ ま、待って、私、変な香りがします!」
気付けばオルフレット様の腕の中に、ロレッテはいた。
ずっと、恋焦がれていたオルフレットの腕の中……嬉しい、よかった、恥ずかしい。いろんな感情が混じり、オルフレット様に抱きつき、ロレッテは大泣きした。