嫌われ者で悪役令嬢の私ですが、殿下の心の声には愛されているみたいです。
74
オルフレット様はアルカとシルベスター君が、他の者達を診察するため、寝室からいなくなると、ロレッテをもっと力強く抱きしめた。
「ああ、ロレッテに会えた……あの日、目の前が暗くなり、僕は2度とロレッテに会えないと思った。だが、またロレッテを抱きしめれて僕は嬉し……い……っ、」
オルフレット様は涙を流し、震えた。
「私もですわ、目を覚まされてよかった」
涙するオルフレット様……目を覚まされて、嬉しくて、胸の中で思い存分に甘える。
〈あぁ――ロレッテとキスしたいな〉
(えっ?)
ロレッテには、オルフレットの声が聞こえたような気がして、近付く気配を感じた。
だけど――いまはダメっ! だと、オルフレット様とのキスを両手で止めた。
「ほれっ……て?」
「ごめんなさい、オルフレット様。私だって、その、キスをしたいですわ……でも、いまは無理なの。き、綺麗になった後で、存分にしてください」
「なに? 後で存分にしてもいいのか……そうか。ロレッテ逃げるなよ」
はい。と言う代わりにロレッテは、オルフレット様の頬に自分の頬を付けた。
〈……やわらかい。もっと、ロレッテに触れていたいけど、なんだか眠い……な〉
オルフレット様? 抱きしめていた体の力が抜ける。どうやらオルフレット様は眠ってしまったようだ。
❀
眠りに落ちた、オルフレット様をベッドに寝かせて、ロレッテは側に置かれた椅子に座った。3日位、眠っていたから……オルフレット様の頬が少しやつれている。その頬を手でそっと撫でた。
足音と、寝室の扉が開き。
「オルフレット様、ロレッテ様、戻りました」
「ロレッテちゃん、オルフレット戻ったよー!」
カウサ様と他の方の診察を終えたアルカと、シルベスター君が戻ってきた。ロレッテは戻ってきた2人に、オルフレット様が眠ってしまったこと伝えた。
アルカは、すぐベッドで眠るオルフレット様を診察にして伝えた。
「ロレッテ様、まだオルフレット様の体内からサンム草の毒素が抜けきっていない。あと、2、3日は目を覚ましたり、眠ったりを繰り返します」
「2、3日は眠ったり、目を覚ましたり、するのですか? ……わかりました」
アルカと話すロレッテに、シルベスター君が近付き、ロレッテの腕に冷たい鼻を押し当てた。
「きゃっ、ど、どうしたのシルベスター君?」
「ロレッテちゃん、後はボクと師匠がオルフレットを見ているから。いまのうちに、ご飯とお風呂を済ませておいでよ。匂いが気になるんでしょ?」
「に、匂い⁉︎」
「そそ、ロレッテちゃんの部屋はオルフレットの隣ね。ご飯は食堂にあるから食べておいで」
ここは専門医のアルカとシルベスター君が、オルフレット様を診てくださるのなら、そのお言葉に甘えることにした。
「ありがとう、シルベスター君。食事とお風呂に入ってきます。アルカさん、シルベスター君よろしくお願いします」
オルフレット様をお願いして寝室を出て、隣の部屋をノックした。中からメイドのリラが出てきて、お風呂の準備が終わっていると告げた。
「ありがとう、リラ。入浴が終わったら呼ぶから、部屋で休んでいて」
「はい、お嬢様。入浴ご終わりましたら、この鈴でお呼びください」
「ええ」
リラは着替えを置いて、下がっていった。
「ああ、ロレッテに会えた……あの日、目の前が暗くなり、僕は2度とロレッテに会えないと思った。だが、またロレッテを抱きしめれて僕は嬉し……い……っ、」
オルフレット様は涙を流し、震えた。
「私もですわ、目を覚まされてよかった」
涙するオルフレット様……目を覚まされて、嬉しくて、胸の中で思い存分に甘える。
〈あぁ――ロレッテとキスしたいな〉
(えっ?)
ロレッテには、オルフレットの声が聞こえたような気がして、近付く気配を感じた。
だけど――いまはダメっ! だと、オルフレット様とのキスを両手で止めた。
「ほれっ……て?」
「ごめんなさい、オルフレット様。私だって、その、キスをしたいですわ……でも、いまは無理なの。き、綺麗になった後で、存分にしてください」
「なに? 後で存分にしてもいいのか……そうか。ロレッテ逃げるなよ」
はい。と言う代わりにロレッテは、オルフレット様の頬に自分の頬を付けた。
〈……やわらかい。もっと、ロレッテに触れていたいけど、なんだか眠い……な〉
オルフレット様? 抱きしめていた体の力が抜ける。どうやらオルフレット様は眠ってしまったようだ。
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眠りに落ちた、オルフレット様をベッドに寝かせて、ロレッテは側に置かれた椅子に座った。3日位、眠っていたから……オルフレット様の頬が少しやつれている。その頬を手でそっと撫でた。
足音と、寝室の扉が開き。
「オルフレット様、ロレッテ様、戻りました」
「ロレッテちゃん、オルフレット戻ったよー!」
カウサ様と他の方の診察を終えたアルカと、シルベスター君が戻ってきた。ロレッテは戻ってきた2人に、オルフレット様が眠ってしまったこと伝えた。
アルカは、すぐベッドで眠るオルフレット様を診察にして伝えた。
「ロレッテ様、まだオルフレット様の体内からサンム草の毒素が抜けきっていない。あと、2、3日は目を覚ましたり、眠ったりを繰り返します」
「2、3日は眠ったり、目を覚ましたり、するのですか? ……わかりました」
アルカと話すロレッテに、シルベスター君が近付き、ロレッテの腕に冷たい鼻を押し当てた。
「きゃっ、ど、どうしたのシルベスター君?」
「ロレッテちゃん、後はボクと師匠がオルフレットを見ているから。いまのうちに、ご飯とお風呂を済ませておいでよ。匂いが気になるんでしょ?」
「に、匂い⁉︎」
「そそ、ロレッテちゃんの部屋はオルフレットの隣ね。ご飯は食堂にあるから食べておいで」
ここは専門医のアルカとシルベスター君が、オルフレット様を診てくださるのなら、そのお言葉に甘えることにした。
「ありがとう、シルベスター君。食事とお風呂に入ってきます。アルカさん、シルベスター君よろしくお願いします」
オルフレット様をお願いして寝室を出て、隣の部屋をノックした。中からメイドのリラが出てきて、お風呂の準備が終わっていると告げた。
「ありがとう、リラ。入浴が終わったら呼ぶから、部屋で休んでいて」
「はい、お嬢様。入浴ご終わりましたら、この鈴でお呼びください」
「ええ」
リラは着替えを置いて、下がっていった。