あなたに出会って世界が変わる
「夏鈴、夏鈴しっかりしろ。」

陸斗は何度も声をかける。
夏鈴の状態は酷かった。服ははだけており、殴られたのであろうアザがたくさんあった。顔は腫れており、涙のあとがある。

「陸斗、救急車呼ぶわ。あと警察も。」

「頼む。」

呼びかけに反応したのか、夏鈴の目が開いた。

「夏鈴、もう大丈夫だから!」

そう言って夏鈴が痛まないよう優しく抱きしめる。

「陸斗、来てくれたの?」

「当たり前だ。なんで1人で帰った。何かあれば伝えるように言ってたろ。」

「ごめんなさい。」

そう言って、夏鈴はぽろぽろ涙を流した。
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