あなたに出会って世界が変わる
復帰
夏鈴は怪我がよくなり、大学に通い始めた。
由衣の家から一緒に通学する。今日は由衣の母が車で送ってくれた。
夏鈴の事件は大きく報道されたわけではないが、やはり知ってる人も多く、注目を集めてしまう。

「由衣まで目立っちゃってごめんね。」

「私のことは全然いいから。周りのことなんて気にしないでいいよ。夏鈴は何も悪くないんだから。」

1、2限目を終えて、講義室から出る準備をする。

「ゆっくりでいいからねー。」
由衣が優しく声をかけた。

「ありがとう!」

講義室の外がなにやら騒がしい。
どうしんだろうと思い、見ると、陸斗と翔太がこちらに向かってやって来ていた。

「授業お疲れ。昼ごはん一緒に食べよう!」

翔太が夏鈴と由衣に声をかける。

「授業お疲れ。疲れてないか?」
陸斗はそう言って、夏鈴のかばんを持った。

「自分で持てますよ。」

「怪我人は黙ってろ笑」

そう言って、陸斗は夏鈴に手を伸ばす。

「こけると危ないからな。」

夏鈴は照れる。ただでさえ、今日は事件のことで注目を浴びている。それに今、陸斗と手を繋げば、ますます目立ってしまう。

「なに?大学だから、恥ずかしがってんの。よく手繋いでるじゃん。」

そう言って、陸斗は夏鈴の手を取った。
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