あなたに出会って世界が変わる

「着いたな。大丈夫だから。なにかあれば助けるし、安心しな。」

そう言って陸斗がインターフォンを鳴らす。
母が出てきた。

「はじめまして。清心大学1回生の山下夏鈴です。陸斗さんにはバイト先でもお世話になっています。よろしくお願いします。」

夏鈴は頭を下げる。

「はじめまして！さあさあ上がって。」
母は優しく家に入るよう促した。

「これ、つまらないものですが、食べてください。」
夏鈴はそう言ってお菓子の詰め合わせを渡す。昨日、由衣に付き合ってもらって、買いに行ったのだ。

「わざわざごめんね。ありがとう。」

家に入ると、父が待っていた。
夏鈴は先程と同様丁寧に挨拶した。

「こんにちは。来てくれてありがとう。」
父はそう言って、笑った。