あなたに出会って世界が変わる
タクシーで夏鈴は帰宅した。終電がもうなかったのだ。
夏鈴は陸斗を起こさないようそーっと部屋の扉を空ける。

「夏鈴、遅かったね。迎えに行かなくて大丈夫かって連絡したけど、見た?」

「ごめん。起こした?見てない。お風呂入ってくるね。」

夏鈴はそう言って扉を閉めようとした時、陸斗が夏鈴の手を握る。
夏鈴はビクンと震えた。

「どうした?何かあったか?」
陸斗の優しい声が暗い部屋に響く。

「なにもないよ。無事締め間にあった。」

「それは良かった。じゃあ飲み会でなんかあった?なんでも言ってみな。怖がらなくていいよ。」
陸斗の言葉で夏鈴は涙を流す。何も言わない夏鈴を優しく抱きしめた。

「触られた。でも、怖がらせるためとかじゃない。飲み会ののりだってわかってる。だけど、怖かった。」
陸斗は抱きしめながら背中をさする。
そして、そのままベッドに夏鈴を連れていく。

「俺が忘れさせる。」
そう言って陸斗は優しく抱いた。
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