あなたに出会って世界が変わる
明日に向けて夏鈴は資料作りに集中する。少しでも大橋に聞いてもらうために一生懸命だ。今日は陸斗が出張で帰ってこない。だから、深夜まで残業した。

「ただいま。」
夏鈴は誰もいない家に向かってつぶやく。そして、ソファでそのまま眠りについた。


(やばーーーー。寝落ちしちゃった。遅刻する。)
夏鈴はソファから飛び起きた。メイクも落とさず寝ていた。夏鈴はあわててシャワーを浴びて出勤した。

夏鈴は打ち合わせの時間が近づいてきて緊張する。もし話を聞いてもらえなければ、掲載しないと伝えなければならない。夏鈴は大橋の冷たい視線が苦手だった。怖い気持ちを抑えて奮い立たせる。

「大橋先生。今日もよろしくお願いします。」
夏鈴は丁寧に挨拶をして、話を進めたが、一向に打ち合わせは進まない。夏鈴はついに覚悟を決めた。

「大橋先生、すみませんが私と打ち合わせしていただけないようでしたら、このお話はなかったことにさせていただき、掲載しないことになります。それでもよろしいでしょうか。」

「はあ?お前何言ってんの。そちらが掲載すると言ったから、こっちは漫画かいてるわけ。編集者と合わないからって掲載しないとか意味わかんないわ。」

「申し訳ありません。ですが、上司から言われておりまして。なので私は打ち合わせを進めて、掲載にもっていきたいと考えています。」

「おまえとじゃ、いい作品が出来ないって言ってんの。こういうのは経験とセンスだから。おまえの意見や考えじゃ、全然この作品の面白さ伝わんないの。」

「すみません。ですが、このままでは掲載が難しくなってしまいます。」

「なあ、この特集おまえが全部の作家と打ち合わせしてるわけじゃないよな。じゃあベテランの編集者がついてる人もいるわけだ。それじゃあ不公平じゃないか。俺はお前とするのは嫌なんだ。さっさと上を呼べ。」
そう言って大橋は机を叩いて怒鳴った。

夏鈴は大橋の言動に震えてしまった。すみませんと小さな声でいい、部屋を出る。自分を落ち着かせるため、深呼吸をして、山田課長の所に向かう。
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