あなたに出会って世界が変わる
病院に着くと、倒れている夏鈴を見つけたという西が待っていた。

「中川陸斗さん?」
西は聞く。

「あっそうです。山下夏鈴の職場の方ですか?」

西は頷き、陸斗に見つかった時のことなどを話す。西は打ち合わせで使いたく、部屋を開けたら、夏鈴が倒れていたと言う。なぜその部屋にいたのか、いつから倒れていたのかは分からないと言った。

「山下さん、昨日のことで気にやんでて、食事とかもとれてなかったのかもしれません。」

「昨日のことってなんですか?」

「一緒に住まれてるんですよね?お聞きになってないんですか?」

「はい、、、。昨日は出張で家に帰っていないんです。」

陸斗の荷物を見て、西も嘘ではないのだなと思う。そして昨日の事を説明する。

「夏鈴が無理してることはわかってたんですが、仕事のことだし、なんて言ってあげればいいのかわかりませんでした。倒れるまで頑張ってるのに気づいてやれないなんて、、、。」
陸斗は下を向く。

「山下さんのご家族にも連絡した方がいいですよね。労災のことも関わってきますし、私から連絡しましょうか。」

「いや、、、、。夏鈴の家族には連絡しない方がいいです。夏鈴、家族とは上手くいってないんです。」

西は驚く。夏鈴は真面目で頑張りやな印象があった。親と連絡出来ないほど関係をこじらせるイメージはなかった。

「そうなんですか、分かりました。じゃあ連絡はしないでおきますね。」

陸斗は西の話を聞いていて、信用できる人だと感じた。なのでたずねてみる。

「あのー、夏鈴が倒れる前に怖い思いとかしてなかったですか?例えば男性に過剰に触られるとか、、、。」

「わからないです。私が見た時はもうすでに意識がなかったんです。服が乱れてるとかそういった印象はなかったのですが。」

「そうですか。ならよかったです。ありがとうございます。」

西は夏鈴が目を覚ましたら、連絡するよう伝えた。そして病院から帰っていった。
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