あなたに出会って世界が変わる
22時になり、忙しさのピークがすぎた頃、休憩に入った。期限切れの納豆おにぎりを食べた。鮭やツナマヨなど人気のおにぎりが残ることは少なく、納豆や高菜などのおにぎりが残ることが多い。
1食分が無料で食べれるなんてかなりありがたい。

「納豆ばかりでごめんねー。」
店長が申し訳なさそうに声をかけてくれた。

「全然大丈夫です。全部もらっちゃってすみません。ありがとうございます」
私は笑顔で返した。

「テストもうすぐなんでしょ。勉強とかも全然してくれていいからねー。」
店長はそう言いながら、レジに戻った。

テストは絶対赤点を取りたくない。留年はなんとしても避けなければ。眠たい目をこすって、教科書を開いた。
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