あなたに出会って世界が変わる
距離
「陸斗、ナイスシュート!」
陸斗のサークルは基本週3回開催されている。でも自由参加のため、全員が揃うことはほぼない。

「なあ陸斗、今度サークルメンバーでBBQやろうって言ってるんだけど、来いよ!!」

「行かねーわ。」

「なんでだよ。陸斗が来ると女の子の参加率あがるし、来てくれよー。陸斗今フリーだろ。だから頼む!」

このサークルはバスケ初心者の子もたくさんいる。陸斗目的に入った子もいるのだ。陸斗はイベントの度に絶対呼ばれる。

「分かったよ。いくよ。来週の土曜日な。空けとくわ。」

「あのさ、陸斗、買い出しのため車出してもらってもいいか。あと、お兄さん来れたりする?」

「またかよー。まあでも祝日だし、車は貸してくれると思う。兄貴はBBQ大好きだし、仕事なければ、喜んでくると思うわ笑」

「助かるー。よろしくな!」

陸斗は5つ上の兄の康平と2人暮らししている。元々陸斗は地方出身者だ。兄が先に上京しており、大学入学とともに一緒に住むことになった。
康平の職場近くの橘駅に住んでいるため、陸斗は電車で通学している。

康平はとにかく明るく、人当たりがよい。大学時代はサークルの代表を務めたり、留学したり楽しんでいたと話していた。
英語が堪能で、今は海外出張によく行っている。
兄は学生時代からイベント事が大好きだったので、弟の陸斗にも楽しんでこいよという意味で、よく車を貸してくれる。たまに付いてくることもあるが、持ち前の明るさで盛り上げ、バスケサークルのメンバーから好かれている。
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