あなたに出会って世界が変わる
「もう大丈夫です。ありがとうございました。」

夏鈴はそう言うと、手を離そうとしたが、陸斗は離さなかった。

「夏鈴ちゃん。今からだけど、俺の家に来ないか。怖がるようなことは絶対しない。約束する。俺は兄と2人暮らししてて、兄は今日出張で帰ってこない。だから、気にしなくていい。どうかな?」

「そんなの悪いです。帰ります。気を使ってくださり、ありがとうございます。」

「帰るって家にか?」

「はい。」

「なあ、、、家で何かあったんじゃないのか?」

夏鈴は何も話さず、下を向く。そしてカタカタと震え出した。陸斗は手を握り、背中をさする。

「こんな状態じゃ、家には帰せねーわ。俺ん家に今日は来な。なっ。」

「分かりました。ありがとうございます。」
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