無自覚な彼女はヴァンパイア様の溺愛に気づかない

生徒会室にて

「さっきはどこ行ってたの⁉」

お昼休み。

あの後、慌てて校庭に向かったが時すでに遅し。

授業が終わっていてみんながクラスで着替えをしているとこだった。


「美鈴ちゃん！おーいおーい」


無意識にパンを口元に運んでいると突然目の前が遮られた。


「あっ、ごめんぼーっとしてた」

「大丈夫？」

「うんうん」

心配そうに見てくる椎菜ちゃんはあの後、先生に保健室に私が行くことを伝えてくれたらしい。

なんて優しい子なんだほんとに。


「それでさ。単刀直入なんだけど」



ぐいぐいっと袖を引っ張られると隣にいる彼を指さして椎菜ちゃんは目を輝かす。

もうきらっきらに目を輝かせている。


「いつ。麗央様と知り合ったの⁉」