無自覚な彼女はヴァンパイア様の溺愛に気づかない
「お前の力が弱っていたんじゃね?」

「んなわけないだろ。今もこうして元気なんだぞ?」

それはたしかに、と大して興味を示さない麗央。

この中庭も彼ら‟BlACK NIGHT〟が人目を避けるために作ったものだ。

‟BLACK NIGHT〟

黒い夜という名前をしているこれは

彼らが‟何者〟であることを暗示する。

「とりあえず、あの女子生徒をみはっとけ。」

星夜が面倒くさそうな顔をしながら言う。
そうでもしとかないと何をされるかわからない。

「あぁ、あの女子生徒か」

「名前は何だ?僕の部下をつけとく」

もし、その生徒が人間ではない‟何者か〟であった場合対処が必要だ。

少々だるそうに思いながらもそう聞く。


「知らね」

「は?」

「だから知らないって。」




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