無自覚な彼女はヴァンパイア様の溺愛に気づかない
きっとお気に入りなんだろう

ハンカチの右下に〖M〗という文字が刺繍されていた。

どうせなら、このハンカチでどうにかできないか。

今残されているのはこれしかない。

あのポンコツの麗央が名前を聞きださないのが悪い。

「それだ」

「なにがだよ」

「そのハンカチでその女を突き止めよう」

湊がえーという中、麗央がのそのそとソファーから起き上がる。

「…俺がやる。」

「お前は絶対行くな」

「星夜の言うとおりだ」


こいつはそれどころではなくなる予感しかしない。

もともと注目されやすい存在なのだ。

無駄に動いて変な噂でもたったらその分消すのも大変だろう。

第一麗央はそれよりも優先すべきことがあるはずだ。


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