無自覚な彼女はヴァンパイア様の溺愛に気づかない
今思い出すと大変な失礼をしまくっていた気がする。

静かに汗をたらたらと流す私。

でも、そんなにすごい人ならもう会うこともないだろう。

他の女子達に適当に相槌を打って質問攻めから抜け出す。

ーそう、安心していた。



入学式後はついにクラス発表っ!

先生たちからクラスが書かれている紙を受け取るとウキウキしながら見る。

「やった今年も同じクラスだねっ」

「うわーー違うクラスか…、悲しい」

そんな会話が聞こえてくる。

この学園には小等部から上がれるからみんな幼馴染なのだろう。

友達できるかなぁ。

紙を握りしみながら心臓がばっくばっくありえない音を立てて鳴る。

どうかできますようにっ。

ついでに良いクラスでありますようにっ。




< 33 / 131 >

この作品をシェア

pagetop