無自覚な彼女はヴァンパイア様の溺愛に気づかない
「今日は柊木さんに用があってね」

うーん。自分に用っていったい何だろう。

「麗央。先にお前には謝っておかないといけない。」

「は?」

「お前の寮の部屋と柊木さんの寮の部屋を逆にしてしまった。」

んんんんん?いま結構な問題発言が聞こえた気がする。

隣を見ると麗央ははっ?という顔をしたままフリーズしていた。

そりゃあそうなるわ。

「恐れ入りながら校長先生。」

さっきまで静かに聞いていた星夜さんもこの展開についていけなかったのか

歩み寄ってくる。

「麗央は女子寮ということですか?」

あ。確かにそうなるのか。

「俺、これから女子に囲まれて生活すんのか。」

顔がどう考えても地獄を物語っている麗央の顔。

綺麗な顔だからそれでも絵になる。



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