世界の果てで、君との堕落恋愛。
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  ❏


地平線の下に身を潜める太陽が空を白く照らす頃、わたしはパチリと目を覚ました。


「……っ、!」


悪夢を見ていた。ずっと魘されていた。

だけど、夢の中に囚われてしまったかのように、起きたくても起きられなかった。


「はぁっ……っうぐ、」


喉が締め付けられたように痛い。

今でも鮮明に覚えている、あの夢の内容。


『涼太、涼太……っ、! お願いだから目を覚まして、お願いだからぁ〜〜』


泣き叫ぶ母の声。そんなお母さんの肩を抱くお父さんの、悲痛に満ちた歪んだ表情。


『───…、午前4時36分。刀利涼太くんの死亡が確認されました』


執刀医がその時刻を告げる。

夢の中のわたしは、ただ魂が抜け落ちたように突っ立っていたように思う。

……大丈夫、あれは正夢なんかじゃない。

ベッド脇の机の上で充電されていたスマホの電源をつけて、時刻を確認するとまだ午前4時だった。


それが、夢の中で涼太が亡くなった時刻に近いもので、少し怖くなる。

ベッドから起き上がって、少しひんやりとしている床に足をつけて、ベッドから降りる。

立ち上がった瞬間、少し目眩がしてズクン…ッと頭痛が走ったけど、気にしないようにして部屋を出た。
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