世界の果てで、君との堕落恋愛。
「何?」

「だからどうしてわたしに話しかけるんですか……っ?」

「…っふ、またそれかよ」


わたしの肩に顎を乗せて、小さく笑う。

彼の色白の手がわたしの腰に添えられた時、今までにない危機を察知した。

すぐにその両手を払い除けて、距離を取る。

監視カメラも沢山ある店内で、この人は凄いことをする。

自分が今最も注目されている人気俳優だという自覚を持っていないのだろうか。


ネットで検索をかければ、すぐに沢山の画像や情報が浮き出てくる。

前に少しだけ菅生玲衣という俳優について検索してみたことがあった。

プロフィールには20歳と明記されていたから、今彼がわたしにしたことは一歩間違えば犯罪行為だ。

……成人した大人が、未成年に手を出すなんて。

自分の目に、彼を卑下する色が宿ったのが分かる。


「……どうするんですか、未成年に手を出しているところを発見されでもしたら」


あいにく、このコンビニの店員はみんな注意力が皆無だ。

この地域周辺の治安があまりよくないというのもあるけど……。
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