世界の果てで、君との堕落恋愛。
こんなにも幸せそうな涼太くんの笑顔が見れるなら、何度でも買って来るよ。


「ちょ……っ、涼香! あんまりアイス食べさせちゃダメって、いつも言っているでしょう」


そんなわたしに毎度のことツッコむのが、うちのお母さん。


「あ、お母さん。今日は仕事早くに終われたんだね」


口うるさいお母さんの言うことは無視無視。

真面目にお母さんの言うことを聞いていたら、涼太くんが甘いものや美味しいものなんにも食べられなくなっちゃうもん。

それだけは絶対に嫌だ。

涼太くんには、少しの我慢もさせたくない……。

自分がしたいと思うこと、食べたいと思うもの、存分にして、食べてほしいって思ってる。


「……はぁ、そうよ。病院から電話が来て、検査の結果を担当医の山田先生から今さっき聞いてきたの」


そう言うお母さんの目の下には、濃いクマが浮かんでいる。

最近、深く眠れてないんだろうな……。

少し心配になりながら、わたしは今の今までずっと訊きたかったことを口にした。


「それで……その、山田先生はなんて?」

「………、」


お母さんはすぐさま瞳に暗い色を宿して、黙ってしまう。

それで、良くないことだってすぐに分かる。
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