ま・ん・ぱ
こんどはカーテンにのぼりはじめました。
「アハハハ!これおもしろ〜い!」
と、カーテンの半分までのぼったとき
「あ!あっちもおもしろそう!」
さてぱぴくんはなにをみつけたんでしょう。のぼるものです。なんだと思います?木?ジャングルジム?階段?いえいえ、ぱぴくんがみつけたものは、それはカーテンのすぐ向こうにあるサッシを開けたすぐそこ。『編み戸』。春のここちよい風がそよそよ入って来るようにおうちのひとがあけていたんです。ぱぴくんは編み戸めがけて、タタタタッ!ぴょ〜ん!ガシッ!と編み戸に大の字…いえいえ、ネコですからカタカナの『キ』の字になってくっついちゃいました。
「もうしらにゃ〜い」
と、まみさんは部屋から出ていっちゃいました。
「ねえねえ、どうしよう、爪がひっかかってとれないよ」
「みゃ〜〜〜」
するとおうちのひとが来て
「アハハハ、なにやってるんだおまえは」
と、ひょいと片手で編み戸からはなしてネコの食卓に連れていきました。となりの部屋にいたまみさんはそれに気付き、片方の耳をそちらに向けて、シッポでポンポン床をたたきはじめました。まみさんはさっきおうちに来たばかりのヤツなんかに大事な食卓でごはんを食べてほしくなかったんです。まみさんはちっちゃいときから『わがままなグルメネコ』ですから。
「う〜〜〜、どうしてあたしの食卓でミルクあげてるのよ」
こんどは両方の耳をそちらに向けてシッポをバンバン床にたたきつけました。そのうちまみさんもごはんの時間になりました。おうちのひともまみさんに気をつかってるようで、今日のごはんはまみさんの大好物のマグロのおさしみ。
「でもこの子、ずっといるのかしら…ムシャムシャ」
まみさんはヤキモチを焼いているみたいです。いままでまみさんだけが可愛がられていましたから。
夜もおそくなりおうちのひともベッドに入りました。まみさんもいつものようにベッドの上に乗り、丸くなりました。タタタタッ!ぴょ〜ん!バタバタバタバタ!
「みゃ〜みゃ〜遊ぼうよ!みゃ〜みゃ〜遊ぼうよ!」
まみさんはがんばりました。寝る前に怒ってたまるかとがんばりました。でもすぐにまみさんは耳をねかせて怒りました。ムギュ!ガブッ!ぱぴくんがまみさんをふんづけながら耳のあたりに噛み付いたんです。
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