天才外科医は激甘愛で手放さない~絶対に俺の妻にする~
私がそう告げた途端、瀬七さんの眉が訝し気に寄り、目が細まった。
でも、私には分かる。わずかに赤らんだ彼の瞳が、喜んでくれているということを。
「なんだって……?」
「出産日から計算してというのも、ありますが……栄斗は、いろんなところが瀬七さんにそっくりなんです。特に無邪気に笑った顔……怒った顔……それに、つむじがふたつあるところも……」
私がそう打ち明けると、瀬七さんはふっと乾いた笑い声を出す。
「そうなのか」
「はい……たくさん、日記に記録しています。瀬七さんに似た部分。だから栄斗は本当に瀬七さんの――」
次の瞬間、彼の温もりに言葉を遮られる。
気づいたら私は彼の腕の中にいて、きつく抱きしめられていた。
「瀬七さん……?」
じんわりと体温が伝わってきて、心臓が早鐘を打つ。衣越しに、彼の速くなった心臓の音も聞こえてきた。
懐かしい温もりと香りを感じて、涙がこみ上げる。
「ひかり、ひとりで産ませてすまなかった。愛してる」