秘密の恋をしませんか⁈ ロミオとジュリエットの恋*ハッピーエンドになります
姉とは、お互いに知られたくない事情があるので、あの日に触れることはない。
考えても仕方ないと、肩をすくめ、自分の仕事に戻るのだった。
そして、夜になれば彼を思い出し痕を見て、彼にメールを送る。
たいした内容でもない。
今日は、〇〇だったと、簡単に伝える。そして、最後におやすみなさいと示すイラストのスタンプを送るだけだが、返信はなくても、既読はつくので安心する。
彼と繋がっていると。
だが、胸の痕が消えてしまって既読はつくのに、彼からの連絡はなく、寂しいと感じていた。
秘密だから、誰にも相談できず、待つだけの日々を数日過ごし、とうとう、いつもと違うメールを送っていた。
(会いたいです)
しばらくして既読がついた。
だが、彼からの返事はこない。
会いたくて、会いたくて仕方ないのは、やはり私だけらしい。
彼は、私の願いをただ、可哀想だと思い、叶えてくれただけなのだと、ネガティブになり落ち込んでいた。
「樹梨ちゃん、悪いけど頼まれてくれない⁈」
診療時間も終わろとする頃、そう、声をかけてきたのは、この篠原大病院のご子息で、医者の卵である玲央くんだ。
「丁度、今、手が空いてるのでいいですよ」