紺碧の夜に見る夢は
ただその一心で飛び込んだ路地裏。
「馬鹿だなぁお嬢ちゃん、わざわざひとけのないところに自分で飛び込むなんて、襲ってくれって言ってるようなもんじゃねえか! 飛んで火に入るなんちゃらってやつだなぁ」
ああ、ほんとに馬鹿だ……と。
気づいたときには、もう遅かった。
引き返すことなどできず、ただ前に進んでいくしかない。けれど、彼らがわたしに追いついてしまうのは時間の問題だということはとうに分かりきっていた。
そして、どんどん人から離れている今捕まってしまえば、最悪な未来が待っているということも。
「さいあく……っ」
すべて自業自得だ。ガラン、ガシャンと何かに躓きながら、振り返ることなく走る。
どこにも逃げ場のないこの道で止まってしまえば、もう終わりだ。