1分で怖い話 part1
浩二がひとつひとつドアを開けて確認していくが、とくに問題はなさそうだ。

さっき言ったとおり1階のほうがよほどヒドイ有様だ。

「2階には幽霊が出るから、みんな来ないんだよ」

倫子が身を寄せてきてつぶやく。
そして強く身震いをした。

「ねぇ、ちょっとトイレに行きたくなっちゃった」

「今? コンビニまで我慢できないのか?」
「無理だよ」

「仕方ないな。水は流れないだろうけど、ここのを借りるか」

「うん。そうする」

よほど我慢していたのだろう、倫子はトイレのドアを開けて中に飛び込んだ。

その瞬間浩二は「ん?」と、首をかしげる。

ここは確か2階だったよな……?
その瞬間、冷たい手が浩二の首筋をなでた。
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