1分で怖い話 part1
そして今日が約束の殺害日だった。
俺は徳兵衛希望Aが指示してきた民家の前まで来ていた。

周囲に人がいないことを確認してから、ポストに手を突っ込む。
そこには言われていたとおり玄関の鍵が置いてあった。

俺は重たい鞄を持ち直して玄関を鍵をあけて中へ侵入する。

もし誰かに見られても自宅介護者を装うようにと言われているので、これみよがしに大人用おむつの袋まで下げてきた。

狭い一軒家を奥へ進むとすぐに和室を見つけた。
古いベッドに横になっている男性を見つけて俺はゴクリと唾を飲み込む。

これが匿名希望Aの父親か。
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