1分で怖い話 part1
☆☆☆

「ただいまぁ」
すべての講義を終えた私は誰もいないひとり暮らしのアパートへ帰ってきた。

玄関の電気はつけっぱなしにしていて、帰った時には奥の部屋へ向けて声をかける。
一応、女性のひとり暮らしだから意識的にやっていることだった。


後は洗濯物を干すときに男物の服を一緒に干すとか、短い時間の外出でも玄関の鍵はかけるとか、できることはしていた。


そのためというかなんというか、大学2年生になった今でも平和な毎日を送ることができていた。
1人分の軽い夕食を終えて湯船に使っている時間が私にとっての至福の時間だ。

肩までゆったりとお湯に使って目を閉じると1日の楽しかったことが蘇ってくる。
明日もきっといいことがあるんじゃないかなぁと思って、気持ちよく体をほぐしていくんだ。
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