私が一番あなたの傍に…

1.5章:本音〜愁目線〜

行為が終わった後、優しくおでこにキスをし、腕枕をした途端、幸奈は眠りに落ちた。
そんな幸奈を眺めながら、優しく頭を撫でつつ、髪に優しく触れた。
幸奈が自分のために、一生懸命尽くしてくれた。とても可愛いかった。今まで一番…。

これまでそれなりに女性を抱いてきた。
幸奈より経験豊富な女性はいたが、正直、その人よりも幸奈の方が断然に良い。
気持ちがあるのとないのとでは、こんなにも違うなんて思わなかった。

だからこそ、蒼空という男の存在が気に入らない。
本当はその男と同じバイト先で、バイトなんてしてほしくない。
だけど、どうやら幸奈は、そこでバイトをしてみたいようだ。
理由はきっとカフェだからであろう。大学生にとって、カフェは憧れのバイトだ。
幸奈もそういった憧れに弱い。ピュアな女の子だから。

そんな幸奈を見ていたら、彼氏として反対することはできなかった。
彼女がやりたいと思っていることを、嫉妬で嫌だからといってやらせないのは、男としてカッコ悪いし、そんな理由でやりたいことがやれないのは、幸奈にとって良くない。
ここは自分の気持ちを押し殺して、幸奈を応援することに決めた。

だってもう、幸奈を傷つけたくないから。大事にすると決めた。
だから、今までの分、幸奈に優しくしている。
今更優しくしたって、過去の過ちは消えない。
それでもいい。幸奈が幸せならそれだけでいい。

しかし、自分の腕の中で幸せそうに眠る幸奈を見ていたら、再び想いが募り、隠れて自己処理をした。
ヒヤヒヤした。とてもスリルがあった。
でももう二度とこういうことが起きないといいなと思った。
ベッドに戻り、愛おしい恋人の隣で一緒に眠った。
この時間が幸せで。その幸せを噛み締めながら、眠りについた。

朝、起きて何か言われないかとドキドキしていたが、特にバレていなかったみたいで、安心した。
こんな幸せな朝がずっと続けばいいのに…と、思ったのであった。
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