私が一番あなたの傍に…
「今日も彼が迎えに来てくれるの?」

そう聞かれ、スマホをチェックすると、愁からメッセージが届いていた。
メッセージには、“今から迎えに行くから待ってて”…だった。

「うん。来てくれるみたい」

「いいな。私もそういう彼氏が欲しいな」

ボソッと小林さんがそう呟いた。
小林さんは可愛いので、今すぐにでも彼氏ができそうだなと思った。

「そう言ってくれてありがとう。小林さんならすぐできそうな気がするけど…」

「そうかな?そう言ってくれてありがとう」

前のアルバイトでも女の子の友達は一応いたが、小林さんほど話しやすい人は初めてで。
もっと小林さんと一緒に居たい。あわよくば、お休みの日に遊びに行きたい。
…なんて思いつつも、なかなか胸の内を話せるわけもなく。今日も大人しく帰るのであった。

「大平さん。それじゃ、また次のバイトで」

小林さんは身支度を整えると、すぐに帰ってしまう。
少し寂しいなと思いつつも、小林さんの帰りを見送る。

「うん。また次のバイトで」

私は一人で愁が迎えに来てくれるのを待った。
数分後、愁が迎えにやって来た。

「お待たせ。帰ろっか」

ちなみに、バイト先には彼氏が迎えに来ることを事前に話している。
わざわざ言わなくてもいいかなと思ったけど、話しておいた方が後々になって説明しなくてもいいかなと思ったからである。
< 14 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop